海外赴任リロケーションガイド赴任の準備方法や手順など、生活の基盤となる情報をご紹介

転校の準備

転校の手続き

海外赴任が決まり、子供をいつまで今の学校に通わせるかが決まったら、その旨を担任の先生に話して「退学届」を提出する。
学校で「教科書給与証明書」(転学児童・生徒教科用図書給与証明書)を作成してもらい、申請書類とともに海外子女教育振興財団に提出する。そこで海外で使用する教科書を受け取ることができる。主な受取方法は、宅配便(送料・梱包料負担)による手続きとなっている。
出国前の 2 週間を切ったら、市区町村役所などで住民登録の転出手続きをする。これによって、出国後、子供は日本の義務教育の対象からはずれる。
編入の書類がそろわないまま現地に行ってしまったり書類を紛失してしまったりした場合は、あわてずに編入先の学校に相談しよう。

●現地教育機関一覧表

  特   徴 生徒の主な国籍
日本人学校 現地の日本人会・商工会などが中心になって設立。基本的には日本人のための学校であり、おもに日本人教師が日本の検定教科書を使って指導する。 日本国籍
私立在外教育施設 日本の学校法人などが、日本国内と同等の学校教育を行うことを目的に設置した全日制学校。 日本国籍
国際学校
インターナショナル
スクール
赴任国のカリキュラムによらず、多国籍の子供または特定の国の子供を教育するために設立された学校。おもに私立学校として運営され、幼稚部から高等部までの一貫教育が一般的。日本とは就学年齢や学年が異なることが多い。 外国籍
現地校 赴任国で公的な機関が設置や認定している学校。日本とは就学年齢や学年制が異なることが多く、その国の言語を使って指導する。 現地国籍
補習授業校 現地校や国際学校に通う子供を対象に、おもに土曜日や日曜日、平日の夕方に国語や算数・数学などの授業を日本の検定教科書で行う。 日本国籍
メリット デメリット 編入手続きの一般的な必要書類
  • 日本の学習指導要領に沿った教育を受けることができる。

  • 転入時も帰国時も、比較的円滑に新しい学校生活に適応できる。

  • 中学部までしかないため、高校から帰国するか国際学校などに行くかの選択を迫られる(上海のみ高等部あり)。

  • 転学書類一式

  • 在学証明書
    (学校や地域によって指導要録の写しななどを持参する必要がある。)

  • 設置した日本の学校法人とほぼ同等の教育を受けることができる。

  • 転入時も帰国時も、比較的円滑に新しい環境に適応できる。

  • 寮を設けている学校もある。

  • 編入にあたり編入試験があるなどの制約がある。

  • 転学書類一式

  • 在学証明書
    (学校によって指導要録の写しなどを持参する必要がある。)

  • 言語や多文化の価値観を体験的に学ぶことができる。

  • 世界各国の友達を作ることができる。

  • 多文化と関わる分、カルチャーショックを感じることがある。

  • 学費が高額。

  • 慣れるまでは、英語等の外国語での授業や指導方法についていくのが大変である。

  • パスポートの写し等

  • 予防接種証明書(英文)

  • 在学証明書(英文)

  • 成績証明書(英文)
    (学校によって書類が異なる場合や、試験を受ける場合もある。)

  • 言語や現地の価値観などを体験的に学ぶことができる。

  • カルチャーショックが大きく、慣れるまでは親子共々負担が大きくなる。

  • 慣れるまでは、現地語での授業や指導方法についていくのが大変である。

  • パスポートの写し等

  • 予防接種証明書(英文)

  • 在学証明書(英文)

  • 成績証明書(英文)
    (学校や地域によって書類が異なる場合や、試験を受ける場合もある。)

  • 日本に帰国したとき、子供が学校に円滑に適応しやすい。

  • 現地生活のストレス解消や友達づくりの場としての機能も果たす。

  • 現地校やインターナショナルスクールの勉強にプラスアルファで学習しなければならなくなる。

  • 転学書類一式

Point

主な学校の通い方

①日本人学校 ( 全日制 ) のみ
②現地校のみ
③現地校 + 補習授業校
④国際学校
⑤国際学校+ 補習授業校
⑥私立在外教育施設のみ

海外子女教育振興財団(JOES)

保護者の海外赴任に伴って渡航する子供達の出国前から帰国後までの教育を支援し、その環境を整備している公益財団法人である。
海外子女教育振興財団が行っている個人向けの主なサービスは次の通り。

① 情報提供(出国前〜帰国後)

海外の学校や日本国内の受け入れ校の情報を提供。

② 教育相談(出国前〜帰国後)

現地の教育事情、海外での学校選択・手続き、持参教材、現地での言語習得・日本語教育・家庭教育、学校生活上の留意点、帰国後の編入学・進学・受験などの個別相談を実施。
オンライン等の個別相談は要予約。維持会員以外は有料。

③ 現地校入学のための親子教室(出国前)

アメリカの現地校や国際学校に子供を編入学させる家族対象。親クラスではアメリカを中心に、海外の教育システム等を学び、子供クラスでは英語を使った体験学習などを行う。

④ 日本の教科書の無償配付(出国前)

文部科学省の依頼を受け、これから出国する子供の海外用の教科書(日本人学校や補習授業校で使用)を配付。

⑤ 海外の小・中学生の通信教育(滞在中)

帰国後、日本の学校にスムーズに適応できるよう海外の小・中学生の学習状況を十分に配慮して作られた海外子女専用の通信教育。その他、「幼児コース」がある。

⑥ 海外子女文芸作品コンクール(滞在中)

海外で貴重な体験をしている子供達が何を考え、何に感動し、何に悩んでいるか等を表現したコンクール。詩・短歌・俳句・作文の各部門に文部科学大臣賞をはじめとする各賞を設定。作品集「地球に学ぶ」を刊行。

⑦ 帰国子女のための外国語保持教室(帰国後)

海外で身につけた語学力を保持していくことを目的に首都圏・中部・関西・オンラインにて開講。小・中・高校生がリラックスして楽しめる雰囲気と独自の指導内容が特徴。

⑧ 刊行物の販売(出国前〜帰国後)

「英文在学証明書」『新・海外子女教育マニュアル』『帰国子女のための学校便覧』のほか、『英語ナビ〈算数(数学)・理科用語日英対訳集〉』『サバイバルイングリッシュ』などは現地校・国際学校で学ぶ子供に役立つ。

○公益財団法人海外子女教育振興財団(JOES)

https://www.joes.or.jp
〒 105-0002 東京都港区愛宕 1-3-4 愛宕東洋ビル 6 階
TEL:03 − 4330 − 1341(代表)
FAX:03 − 4330 − 1355

海外子女教育振興財団は「海外子女・帰国子女教育」に関して、さまざまな支援を行っています。ご活用いただくためには、簡単なご登録が必要になります。ぜひ、登録して、弊財団のサービスをご活用ください。

<主なサービス>

  • 日本の教科書の無償配付

  • 教育相談

  • 赴任前・帰国後に関わる各種セミナー・講座・イベント「赴任前子女教育セミナー」「現地校入学のための親子教室」「渡航前配偶者講座」「渡航前子ども英語教室」「学校説明会・相談会」等

  • 海外子女のための通信教育

  • 帰国子女のための外国語保持教室

  • 刊行物・パンフレット

発育時の言語習得のスピード

ここで、子供の第二言語習得と成長年齢との関係についてふれてみよう。
第一言語習得と第二言語習得との関連は、いまだに解明しきれていないが、統計的に次のような傾向がわかってきている。
(1) 5 歳頃までに習得した(第一)言語能力は、環境が変わると新しい環境の言語能力に切り替わる場合が多い(それが第一言語になる)。たとえば 5 歳児をアメリカに帯同すれば、数年で英語が第一言語になってしまう可能性がある。
(2)小学 4 年頃までを日本の学校で終えていれば、海外においても日本語を失うことはほぼないと言われている。しかし、年齢相応の日本語力を新たに獲得していくのは困難を伴う。
(3) 小学 2 年頃までに渡航した場合、現地校で同年齢の子の学習に追いつくまでに 2 〜 3 年程度かかるといわれる。どの国でも 11 歳くらいから新しい概念や語彙を次々に身につけていくカリキュラムが組まれるため、小学 5 年以降に渡航した場合には、日常会話能力に加えて、現地の子供でも手一杯の学習内容を学んでいく必要があり、同年齢の子の学習に追いつくには 3 〜 7 年を要する。
これらの傾向から、バイリンガルに育てようとしても、子供には相当の負担がかかってしまうことがわかる。
さらに帰国後、日本語力が足りないため、学力が伸びず、海外で身につけた外国語までもいつのまにか失われるという可能性がある。どの言語で育てるのかは親の選択だが、第一言語を確立することが必須である。

通信教育について

海外の現地校や国際学校に通っている子供は、月曜日から金曜日まで、1日中外国語による授業を受けている。さらに、家に帰ってからも毎日のように学校の宿題に取り組まなければならない。
また、土曜日に補習授業校に通う子供は、金曜日の夜に先週出された補習授業校の宿題に取りかかり、翌日の授業に間に合わせることが少なくない。これらの学習をこなし、補修事業校では行われてない教科も学習することは、子供にとって、大きな負担となっている。
しかし、いずれ日本に帰国することを考えると日本の学習教科の基礎・基本は身につけておき、帰国後はスムーズに適応させることが理想である。そこでお勧めしたいのは、日本の通信教育等を利用して、家庭での学習習慣を定着させること。2020 年度からは教材をリニューアルし、国語・算数/数学コースがブック教材とインターネット教材、理科・社会コースがインターネット教材となっている。
国語・算数 / 数学コースは、6 か月に1 回教材が送付され、添削問題・表現課題等で両教科の添削指導も行っている。国語は、ブック教材で日本の教科書の内容を丁寧に学んでいく。日本の授業を受けていなくても、オリジナルの「学習の進め方ガイドブック」の活用により、漢字や慣用句の知識、読解力や表現力を養うことができる。各教材は程よい分量で構成されており、保護者と一緒に無理なく取り組める。ほかに、「漢字表」や国語教科書の朗読音声、WEB 補助教材が用意されている。
算数 / 数学は、教科書の内容を網羅したインターネット教材となり、学習の進め方は以下および、理科・社会と同様。(算数 / 数学の添削問題は国語と共に送付)
1 か月分の学習を終えるごとに「添削問題」に取り組み、JOES へ提出。その方法は WEB と郵送から選べる。提出された添削問題には、個別に具体的な指導事項を記入し、継続して学習に取り組む意欲をうながすコメントを添えて受講生に返送。海外での学習状況の配慮により、締切日以降も添削指導が受けられる。
理科・社会コースは、インターネット教材となり、受講生は専用ホームページに ID とパスワードでアクセスし、受講期間中は映像と音声による授業動画の閲覧や問題に何回でも取り組むことが可能。学習上の疑問に答えてくれる質問機能や学習ノートをプリントアウトして記述学習を行うこともできる。
その他、「幼児コース」(0歳児から対象)も開設している。読み聞かせを通して、母語である日本語に楽しく触れてもらうため、出版社や著者等の偏りなく厳選された日本の絵本の配本サービスを柱としている。

子供に適した通信教育

少子化によって進学指導のあり方が変革を迫られるなか、難解な問題の解答力よりも基礎・基本に重点を置いた教材・指導法の開発に注力している。
子供の滞在地や海外在留期間、地域の条件、家庭環境など、いろいろな面で多様な時代になったので、その子に適した通信教育は個々で選ぶしかない。納得いくまで体験版を試してみるのも良い。大事なのは、無理のない範囲で継続して学習することである。分量が多すぎたり添削締め切りが厳しすぎたりすると、長続きしないため逆効果である。
就学前の段階では、日本語の動画や音声などを毎日聞かせることが重要であるが、6 歳くらいからは「書き写し」や「話し合い」も大事になる。オンラインやチャット等で日本の友達や祖父母などとコミュニケーションをどんどん取らせることもお勧めしたい。

●通信教育機関

海外子女教育振興財団の通信教育

https://www.joes.or.jp/kojin/tsushin/
問い合せ=電話:03-4330-1345
海外在住の小学生・中学生専用。
国語・算数/数学
理科・社会
※ 維持会員企業 • 団体割引あり
※コース別の申込単位・受講料の詳細はホームページに掲載

NHK 学園高等学校ネット学習海外コース

http://www.n-gaku.jp/
問い合せ=電話:0120-451-424
ネット学習と放送視聴により登校(スクーリング)日数を少なくでき、
年 1回 5 〜 6 日間の帰国で済む。担任制で安心。

学研通信講座

http://www.gakken.jp/tsushinkoza/
問い合せ=電話:0120-114-154
幼児・小学生・中学生のための通信講座は、国語、算数、理科、社会のほか、英語、作文など、豊富な内容から選べる。

JOBA の通信指導

https://www.jolnet.com
問い合せ=電話:03-5754-2240
JOBA の「学習指導」では、JOBA 通信教育プログラム用に作成した学習カリキュラムに沿って、滞在地で学習を進めていくための自学自習プログラム。帰国時の受験・編入など子供のさまざまな条件・状況にあわせたご利用が可能。

ena 国際部世界でがんばる子を応援する塾

http://www.ena.co.jp/world/
問い合せ=電話:0120-06-1711
世界でも国内でも、子どもの学習をサポート。帰国後の中・高・大受験を強力にパックアップする。国内外に幅広く展開する全ての校舎が連携して指導を実施。

進研ゼミ
(ベネッセの通信指導)

https://www.benesse.co.jp/zemi/kaigai/point/index.html
問い合せ=電話:0120-55-7070
以下の商品が海外受講が可能。海外受講での取り扱いは以下の商品。
  • こどもちゃれんじ(ぷち ~じゃんぷ)

  • 進研ゼミ(小学講座・中学講座・高校講座)

  • オプション教材
     (こどもちゃれんじプラスのほか・小学講座一部オブション教材)

ネット不要のデジタル学習システム「天神」

問い合せ = 電話:0120-019-828(国内) / 077-566-5044(海外)
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幼児版:https://www.tenjin.cc/lp/wp/pre-tablet-foreign/
小中学生版:https://www.tenjin.cc/lp/wp/elementary-foreign/