海外学校事情(中国)
海外子女教育の概況
中国に滞在する小中学生の多くは日本人学校に通い、国際学校等にも一定数通っている。
中国沿岸部の大都市圏の多くでは日本人学校が設置されている。また上海日本人学校には、日本人学校として初めて、2011年4月から高等部が設置されている。
一方、内陸部では外国人子女への教育機関が未整備な都市も多く、家族は教育環境の整った近隣の大都市に住み、駐在員が週末に帰宅するという形態を取る場合も見られる。長期滞在では心身の健康管理を考え、家族の帯同をお勧めしたい。
日本人学校のある都市でも国際学校や現地校を選ぶ場合は、補習授業校や通信教育を利用する等、日本語の学習についても見通しを立てておくことが大切である。
現地校
外国人子女を受け入れている大都市の現地校では中国人子女と外国人子女は別学になっているところも多く見られる。上海中学国際部のような学校は中国が設置した国際学校としてみることもでき、このような学校の場合、中国の大学への進路も概ね整備されていると考えてよい。
日本人学校
上海のような大都市と発展途上の都市の学校は雰囲気が違う。
特に大都市では日本人社会の中だけの生活になってしまったり、塾の進出で受験を煽られる面からの弊害も見られたりする。中国で暮らしている機会を利用して中国の風物に親しむ等を家族ぐるみで心がけるとよいだろう。学校教育を土台にすえ、充実した駐在生活になるよう家庭としての姿勢に留意したい。一方、発展途上の都市では日本人学校を中心に邦人が協力し合って生活している姿がよく見られる。
国際学校(インターナショナルスクール)
国際学校が複数ある中で選択する場合、規模、ESL の内容、教育課程や大学進学システム、加盟団体等で学校の特性が浮かんでくる。
海外子女教育振興財団の教育相談等から情報を入手し、本人の特性に合うと考えられる学校を見つけると良いだろう。中には希望者が多くてすぐに入学できず待機しなければならないところもあるので、出国前から編入の問い合わせを早めに始めることをお勧めする。
なお中国に限らず、高学年になると英語力が不十分だと編入が叶わない学校もあるので注意が必要。また、学校は家庭からの協力を期待しているので積極的に関っていくことが大切だろう。
(海外子女教育振興財団)
中国・赴任者たちの声こんなところが良い、注意が必要
現地校
〇現地校に通わせる場合、該当校が外国人を受け入れているかどうかをまず確認することが重要です。中国系や英語系の国際部を持つ学校もあり、特徴はさまざまです。その後の進路をよく考えて選ばれるといいかと思います。
日本人学校
〇海外にいながら日本の小中学校と同じ教育が受けられるというのはやはり利点です。
〇将来的に日本の中学や高校に進学させる予定の場合、国語や算数・数学は日本人学校でしっかり勉強すればほぼ問題ないように思います。ただ、帰国子女枠を使った入試などを考えている場合、入試内容など、多くの情報を入手したほうがいいでしょう。
〇上海日本人学校は生徒数が多いため、虹橋と浦東にキャンパスが分かれています。あまりに日本人が多すぎて、子供は中国語を覚える必要がないまま日本に帰ることになりそうで残念です。
国際学校
〇インターナショナルスクールの場合、平日はインターナショナルスクールで学び、土曜日だけ日本人補習授業校というパターンで学習させている家庭がほとんどです。どのインターナショナルスクールでも、幼稚園から英語と中国語のいずれかをメインの授業言語にして、どちらも授業科目に組み込んでいます。ほかのアジア系の家庭が入学前から自宅でも熱心に英語の補習を怠らないのに比べ、日本の子供は英語が白紙の状態で国際学校に入るので、英語圏の生活ではないこともあり、子供といえども英語を習得するのは決して楽ではありません。一波乱も二波乱もあり、1 年近くかけて、ようやく子供が国籍を超えたコミュニケーションを楽しめるようになりました。1 年以上中国にいるのであればインターナショナルスクールという選択肢も十分可能かと思います。
〇同じ学校でもクラスによって学習内容が違います。先生方は英語圏から来ていても国籍は様々なので学習方法もかなり違っていたりします。習得の早さも子供一人一人違います。中国に来た時に英語の幼稚園に通わせ、私は子供に中国語よりも英語を先に学習させていたので、英語は早く吸収しましたが、中国語を先に習得したお子様は、英語が第 3 言語となり、英語の習得は遅れがちでした。