現地での生活の始め方
在留届の提出
「旅券法」の第 16 条に日本人が外国に 3 カ月以上滞在する場合は、在外公館(日本国大使館・総領事館など)に「在留届」を提出しなければならないと定められている。提出方法は、現地住居決定後、インターネットによる在留届電子届出システム ORRnet を利用する方法が一般的である。在留届の入手方法は、以下の通りである。
在留届の入手方法
1海外の場合
ORRnet にて登録
URL:http://www.ezairyu.mofa.go.jp/
最寄りの在外公館の窓口で入手(郵送、FAX での請求も可能)
2日本国内の場合
各都道府県の旅券窓口で入手
3ダウンロード
外務省ホームページから用紙(PDF 形式)を入手
4音声自動応答システム
電話として使用できる FAX を使って外務省(03-5501-8490)にアクセスして入手
在留届は、在外公館が在留邦人に海外安全情報を提供する際や教育・医療・安心にもなる。
赴任・転居の挨拶
赴任地に着いたら、あまり時間をおかずに日本の両親や親戚、友人・知人などに赴任・転居の知らせを出すようにしよう。両親や兄弟などの近しい人には、無事に到着した旨を電話やメールで知らせてもよいが、親戚や友人・知人などには、できれば絵ハガキに近況などを書き添えて出すようにしよう。到着直後の率直な気持ちをつづることは、日本でお世話になった人たちに感謝の気持ちを表すことでもある。
また、便りを書くことにより漠然とした不安が和らいだり、気持ちが整理できたりする効果もある。「早く出そう」と焦る必要はないが、「落ち着いたら出そう」では、いつまでたっても書けない。夫の勤務先の関係者にはすぐに挨拶回りをするだろうが、会社が違っても、近くに日本人の家族が住んでいる場合などは、早めに挨拶だけはしておくようにしよう。毎日の買い物から子供の学校や病院のこと、また日本人会やボランティア活動など、現地での生活に必要な情報やアドバイスを得るためにも、最初の出会いを大切にしたい。
新しい知り合いも増えるので、住所録の整理も大変になる。仕事上の相手なら、名刺整理帳を利用して、業務別に整理しておくと便利である。個人的なつきあいでクリスマスカードや年賀状のやりとりが必要な知人・友人は、横書きの「差し替えカード式」を使って整理すると機能的だ。パソコンの e メールのソフトには住所録がついているので、それを使って整理してもよい。
ライフラインの手続き
赴任国到着後の役所への届出については、現地で確認すること。すでに説明した通り「在留届」を管轄の在外公館に提出するのを忘れないこと。また、就労ビザの関連などで必要な手続きが残っている場合もあるので、確認しておこう。
電気・ガス・水道の開栓は、不動産業者に手続きを頼めば良い。(家のオーナーがやっておいてくれる場合もある/国によっては自身で手続きをしないとならない)
開栓の日が指定された場合は、誰かが立ち会う必要がある。うっかりして外出などしてしまうと、予約をしなおすことになりかねない。検針や代金の支払い方法も確認しておこう。
電話(固定電話)の手続きも不動産業者に頼んでみても良いが、家のオーナーが自分名義の電話をそのまま使わせてくれる場合もある。国や地域によっては電話会社を自由に選べるようになっているため、自分で電話会社に出向いて手続きをとらなければならない場合もある。(特に国際電話のための保証金が高額なとき)携帯電話は、不動産業者に依頼すればサポートしてくれる。
ゴミの出し方についても、分別回収が徹底している地域でいい加減なことをすると、近隣と気まずくなったりトラブルになったりしかねないので注意しよう。
赴任国の身分証明書登録
赴任先での生活が始まると、常時パスポートを持って歩くことはおっくうだし、紛失の危険も高くなる。その国の身分証明書(ID カード:国によっては取得が必須)が取得できれば、家を借りたり自動車を買ったりといった契約時や、銀行口座を開いたり運転免許を取ったりする時にも便利である。
アメリカでは「ソーシャル・セキュリティ・ナンバー(SSN)」という社会保障番号があり、それが納税も含む社会生活のための「市民背番号」になっている。戸籍のないアメリカでは、個人を特定する唯一の方法であり、あらゆる法律行為の必要要件となっている。
申請に必要なものは通常、パスポートとビザの証明書(アメリカなら DS-2019、I-94 など)だけで、管轄の役所で簡単に手続きできる。
身分証明書を持つということは、その国に合法的に滞在しているという証であり、多くの手続きが円滑に進むようになって、世界が急に広がるような気持ちになる。赴任国についたら、すぐに取得を考えたい。
現地銀行口座の開設
住宅を借りる際に、現地に銀行口座がないと貸してもらえない場合も多い。通常、銀行口座はビザや滞在許可があれば開設できる。
手続きは簡単で、勤務先の住所を登録しておけば、数日で小切手帳も作ってくれる国もある。
国政選挙への参加
在外選挙制度の創設により、2000 年5 月 1 日以降の国政選挙から、海外赴任者も投票に参加できるようになった。海外で投票するためには、まず在外公館(大使館・総領事館)で「在外選挙人名簿」への登録申請が必要である。(2018 年6 月に、出国前に市区町村選挙管理委員会に対して同登録申請を行うことができる制度が導入された。
後述の【参考】欄参照)
<在外選挙人の登録資格>
在外選挙人名簿に選挙人として登録するためには、次の要件をすべて満たしていなければならない。
① 満 18 歳以上の日本国民であること。
② 海外に3カ月以上居住していること(住所を選挙管轄している在外公館の管轄区域内に引き続き3カ月以上住んでいる人。なお、2006 年の制度改正により、2007 年1月1日から、居住期間が3カ月未満の場合でも申請できるようになったので、在留届の提出と同時に申請することができる。この場合、在外公館では申請書を一旦預かり、居住期間の3カ月経過時に改めて申請者の住所を確認した上で、手続きを再開する)
③ 在外選挙人名簿に未登録であること(日本国内の最終住所地の市区町村に転出届が未提出の場合は在外選挙人名簿に登録できない)
出国時申請の場合は、②は「最終住所地の市区町村の選挙人名簿に登録されていること」、①〜③に加え、国外に住所を有すること。申請書の提出方法は、申請者本人または在留届に記載されている同居家族等が、その住所を選挙管轄する在外公館の領事窓口に直接申請する。(出国時申請の場合は、市区町村の選挙管理委員会)申請書は在外公館にあるが、外務省ホームページからダウンロードしたものでも可。
在外選挙人名簿に登録されると、投票に必要な「在外選挙人証」が、市区町村選挙管理委員会から在外公館を通じて交付される。
投票できる選挙区は、名簿登録された市区町村の属する選挙区となる。投票できる選挙は、衆・参比例代表選挙、衆議院小選挙区選挙及び参議院選挙区選挙並びに補欠選挙・再選挙。
<投票方法>
投票の方法は、在外公館投票と郵便等投票のいずれかを自ら選択することができる。また、一時帰国の際にも、国内における一般の選挙人と同様に投票することができる。
① 在外公館投票
在外選挙人名簿に登録されたすべての選挙人は、その居住地にかかわらず、投票記載場所が設置されているいずれかの在外公館において、在外選挙人証及び旅券等の身分証明書を提示の上、投票することができる。
② 郵便等投票
あらかじめ登録先の市区町村の選挙管理委員会に対して、「在外選挙人証」と「投票用紙等請求書」を送付の上、投票用紙等を請求しておく。投票用紙の請求は、いつでも(選挙日程が確定する前の時点でも)可能。
当該選挙管理委員会から投票用紙等の交付を受けた後、記載した投票用紙等を再度登録地の市区町村の選挙管理委員会に日本国内の選挙期日(国内投票日)の投票終了時刻(通常午後 8 時)までに投票所に到達するよう、直接郵送する。
③ 帰国投票
在外選挙人は、選挙の時に一時帰国した場合や帰国後に国内の選挙人名簿に登録されるまでの間は、在外選挙人証を提示の上、国内の投票方法を利用して投票することができる。
【参考】「出国時申請制度」の導入
2016 年 12 月に公職選挙法が改正され、2018 年 6 月に在外選挙人名簿への登録申請手続きに関する「出国時申請制度」が導入されることとなった。この制度の導入により、選挙人名簿に登録されている市区町村から直接国外へ転出する場合、転出届の提出と同時に、市区町村の選挙管理委員会に対して在外選挙人名簿への登録申請を行うことができるようになった。この申請を行う場合、申請のために在外公館に出向くことや、海外での 3 カ月居住要件が不要となり、在外選挙人名簿登録手続きの利便性が高まり、登録までの時間も短縮される。
車の購入・運転
赴任国で車を購入するのはなかなか大変だ。購入先はカーディーラー、中古車ディーラー、個人などに分類できる。
ここではアメリカの例を紹介したい。
昨今、半導体不足により新車が不足している。車の入荷まで数か月待ちはざらである。
そのあおりを受けて中古車価格も高騰している。
赴任前に車購入の準備をしておかないと赴任後は相当な苦労が待ち構えている。
また、現地での購入に際してディーラーを何社も回って交渉するなどは、過去の話で今は即決遅くとも当日には決めないと購入は相当先になることは覚悟した方がよい。
今は、オンラインの時代であるため日本にいながら契約することが可能だ。但し、州によって契約できる、出来ないがあるので詳しくは確認が必要である。
そういった状況であれば、日系会社に相談した方が安心ではないだろうか。
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クレジットットヒストリーがなくとも対応可
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良心的な金利
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日本語対応など
相談は Zoom を利用することも可能だ。また、購入に際してのアドバイス、煩雑な手続きもサポートしてくれるので利用しない手はない。今や赴任後の準備ではなく赴任前の事前準備をしておくことで、より一層の安心感を手に入れることができる。
また、帰国時の買い取対応もしてもらえるので便利だ。
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ローンが残っていれば買い取価格と調整可能
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査定見積期間は 2 週間
( 一般的には 1 週間 ) -
帰国時までギリギリまで乗車可能
空港までは Uber ( 配車サービス ) を利用すればよい。
これはあくまで一例であって提供するサービスは各社違うので相談時に確認することをお勧めする。
運転上の注意
海外でハンドルを握るときは、免許証のほかに身元を保証するもの(ID カード、パスポートの写しなど)を持ち、保険会社にもすぐに連絡がとれるようにしておく。
シートベルト、チャイルドシート(カーシート)の着用は、どこの国でも義務付けられている。とくに欧米やオーストラリアなどでは、後部座席にも義務付けられており、違反すると罰金の対象になるので気をつけよう。
右側通行の国では、右折が常時可能だったり、左折で反対車線に入りやすかったりするので、慎重に運転したい。
(右ハンドルは避けたい)
また、スクールバス(通常は黄色)が反対車線に停まった場合、周囲の自動車は停車することになっている国が多いので要注意である。
大都市であっても、危険地区(貧民街や人通りが少ない場所、ゴミ・落書き・ホームレスが多い場所など)には乗り入れないようにする。入ってしまったら、すぐに引き返すようにする。また、夜間は雰囲気が一変する通りもあり、標識が見えにくくて道にも迷いやすくなるので避けたほうがよい。
公共交通機関の発達していない地域では車は必需品で、免許取りたての若者から 80 歳の老人までが運転をしている。
酒気帯びや居眠り、携帯電話の片手運転などもあるので、常に周囲に注意を払い、もし変な運転をする車があれば近寄らないようにする。また、車を離れるときは必ずロックし、貴重品は座席に置かないようにする。
運転免許証の取り方
長期滞在者(通常 3 か月以上の滞在者をいう)には、国際免許証での運転を認めない国も多く、その国の免許証を取得すると良い。日本から持参した運転免許証と、できれば国際免許証も持って地元警察署の交通課に行き、免許証の発行を申請する。(代理申請でよい国もある)
国あるいは州によって筆記試験を課されることもあるが、英語圏以外でも外国人には英語の問題を用意してくれる。
「この標識はどういう意味か」「この場合、どうすることが安全か」といった常識的なもの(用語もやさしい)で、問題数もそれほど多くはない。視力検査をするところもあるので、メガネ使用者はメガネを忘れないようにする。
通常、写真も必要となるので、あらかじめ確認をしておこう。
運転免許証がない場合は、新たに取得する必要がある。運転講習の学校に通うか、個人指導の先生を頼んで練習を重ね、「合格点」に達してから警察署に免許証を申請する。警察署では、筆記試験や視力検査や簡単な実技試験が行われる。
運転講習を受けていれば、学校や指導員が申請を代行してくれたり、実技試験免除の手続きをとってくれたりするところもある。