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教育 × ICT

目指す学びの多様性

帰国生対象の入試は早い。次年度に 向けて入試のスタートは秋からである。ようやくコロナ前の状況と変わらない 試験、マスクを外して入試や面接ができるようになっている。振返ると、2020 年、現地の行政が 指示したコロナの感染対策は滞在国によってさまざまであったが、在宅での学習、そしてオンライン授業を経験して教育現場での学習手段は大きく変化 した。インターネットと学びの融合が 進んだ現在、学習におけるオンラインの積極活用は、デジタルネイティブ世代には必須のスキルとなっている。
コロナ禍で発展したオンライン授業は、ICTを活用した教科学習のみならず、生徒同士のつながりを利用した協働学習、そして外部への発信・交流できるツール利用と多様化している。
ICT教育は学校ごとに工夫されており、従来学習の補完機能ではない学びとして活用されている。キャリア教育の手段としてなど、使途は幅広い。学校の取組み・独自性として、話題に上ることも増えたのではないか。また一般的な言葉としても、ICT(Information and Communication Technology ) という概念は、社会に認知されつつある。
コロナ後、ICTと教育の融合は更に加速していくだろう。

帰国子女入試

コロナ流行時、 受験生は「オンライン学校説明会」や「オンライン学校見学」に参加してきた。直接的に学校を見ずに志望校選定をせざるを得なかった時期が続いた。
結果として、志望校の情報を能動的に探さなければ入手できない、という事態が続いた。入試を含め、学校の情報はいつ更新をされるかも不明であり、在外家庭は能動的にインター ネットを利用して情報収集を進めざるをえなかった。海外に向けてはオンラインでの情報発信と言ったその流れは続いており、様々なイベントはコロナ明けの現在も、インターネットでの情報提供は盛んである。
学校にしても オンラインだからこそ見せられる内容もあり、技術の進歩は「一時帰国をしなくても」学校見学ができるのだ。足を運ばなくても幅広く、学校選定が可能となった。保護者として、情報収集 含めオンライン利用の重要度はより高まっている

志望校受験に向けてのオンライン出願も多くの学校で導入されている。海外にいて不安に感じられる、「〆切までに提出書類が届くかどうか」といった、 郵送への不安は解消されていく一方で、オンライン出願に加えて「郵送」も必要な学校も存在するという新しい問題も生まれている。受験校ごとに出願方法・内容が異なるため、ミスが生まれるは増えているのかもしれない。そして学校ごとにHPの(事前登録含め)登録方法や用語が異なり、戸惑うケースも聞いている。使用端末や OS(PC の ソフトウエア)が限定されるなど、書類作成の難易度が高まったと感じる保護者もおり、余裕を持った書類作成が必要となっている。

コロナ禍では、入試のために帰国できないという理由でオンラインを利用した入試が活発に行われた。面接のみならず、海外の自宅から試験そのものをオンラインで行う学校も生まれた。 PC の画面を入試問題と見立てる受験や、 オンラインで行われる面接は小中学生にとって慣れが必要であった。ノウハウを蓄えた現在では、帰国生対象のオンライン入試は行われており、帰国子女にとって受験校選びの重要なポイントとなっている。
但し、オンライン入試を受けられる条件は変化している。日本へ帰国せずに受験できるという魅力のあるオンライン入試ではあるが、最新の情報を入手して「受験要件」を満たしているか、確認をする必要がある。

ICT 教育

学校では、まず生徒用端末の準備から始まり、電子黒板や Wi - Fi 設置といった ICT 環境の整備、そして情報 通信のプラットフォーム選択(Google classroom など)、が進められた。
その結果、学校は独自の進化を遂げている。現在の受験生は、進学先の学校が ICT 教育においてどのような「授業デザイン」を持っているか、受験生は興味を持ち始めている。1 人 1 台の端末利用が日常となり、語学など教科学習に加えて協働学習(話し合って研究し課題解決を図る) やキャリア教育など、自主性と創造性を育てる「学びの多様性」が始まっている。
生徒は ICTを用いながら、自ら考え行動する力、そして表現能力が強く求められる。例えば生成 AI の利用から、情報 リテラシー含め様々な側面で「初めて」の経験をしている。親世代が経験していない学びに取り組む生徒たちは、学びとコミュニケーションの融合は新しい学習の幕開けである。教育とICTは非常に親和性が高く、各学校の個性と理解して進学先の参考にしてほしい。


デジタル機器を使いこなす生徒たちは、いつでもどこでも世界とつながることができる。在外子女にとって時間や場所といった制約を0にすることが可能 な ICT は、学習面でより重視する必要があるはずだ。情報は、日本語そして日本だけに限定されるものではない。
世界を視野に入れて学んでいこう。そのうえでICT技術による問題解決能力養成を目指して、現地生活を能動的に過ごすことが望ましい。「あなたはどんな学びが必要ですか? 」

「現地で必要な学びは何?」ご相談は Kyoshin@Home  から可能です。

提供:株式会社京進