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準 備

荷物の仕分け

日本に残す荷物と海外へ持っていく荷物の仕分けは、引越しに慣れた人でも頭を悩ますところだが、勤務先の規定範囲内で必要なものを持っていくしかない。すべて持っていこうとすれば、その分輸送費は高くなるし、量が多ければ多いほど課税対象にされる傾向が見られる。
海外引越しとその後の生活条件を考えると、海外に持ち出したものは破損・紛失・盗難の危険性がかなり高いといえる。海外に持っていくかどうかの判断にも、それを基本に据えておくことが大事で、次のように自分たちの荷物を仕分けしてみよう。

●仕分けの基準

貴重品
重要書類
(例) ・貴金属や高価な家財、家の権利証等の重要書類
(方法)・国内の親戚に預ける(但し、実印は手荷物で携行する) ・銀行の貸金庫に預ける
赴任直後から
必要になる物
(例)・ビザ関係書類、保険関係書類、医療関係書類 ・教科書、転学書類一式 ・救急医療セット ・衣類(引越荷物が届くのは入国後航空便約 1 週間、船便約 1 〜 2 か月後)
(方法)・ 赴任直後に必要となるため、手荷物で携行する
日用品 (例)・キッチン用品、日用品、カメラ等趣味の道具 ・CD、SDカード、ビデオ
(方法)・基本的には船便で送る ・カメラ・ビデオカメラは手荷物で携行する ・消耗品は船便で送る
電化製品 (例)・冷蔵庫、エアコン、テレビ ・こたつ、アイロン、オーブン等
(方法)・売却 ・破棄
帰国した時に
使いたい物
(例)・タンス、食器棚・ピアノ・絵画
(方法)・倉庫やトランクルームに預ける

荷物の通関事情

船便および航空便は、日本の港・空港を出る際と赴任国の港・空港を通る際に、検査を受ける。日本を出る際は比較的問題が起こらないものの、「ワシントン条約」(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)で輸出入を禁止されている動植物やその加工品は、没収される。
たとえば、象牙・珊瑚・べっ甲など、およびそれを使った置物・装飾品などは、いずれの国でも持ち出し・持ち込みができない。
到着地の税関では、通関の際にすべての梱包を開けて検査することが原則とされている。梱包明細書と内容物とが一致していること、次項で説明する輸入禁制品がないことなどを検査される。
かつては荷物の中身が盗まれることもあったが、最近は発展途上国においても、ほとんど盗難はない。万一、盗難にあったり破損したりした場合は、保険で求償される。したがって、お金に替えられないものは、入れないほうが無難である。
なお、赴任先の通関事情によって、必要書類や課税対象品目、輸入規制品などが大きく異なる。特にビザの取得の有無で通関そのものが許可されなかったり、通関にオリジナルのパスポートが必要であったりということは、珍しいケースではない。
引越業者の担当者に、赴任国の通関事情を確認しておこう。

引越荷物の保険

積み降ろしや輸送中の万一の事故に備えて、引越荷物には必ず保険をかけておきたい。保険は、梱包明細書(パッキングリスト)もしくは保険会社が用意する保険申請用紙に、品目ごとに金額を設定しておく。
荷物が到着したあと、損傷や紛失が認められた場合は、ただちに引越業者の現地連絡先に連絡して、事実関係を確認させること。損傷している場合は、念のため写真を撮っておこう。
この保険は、日本で荷物を業者に渡した時点から、赴任先の指定の場所に配達されるまでの間に生じた損害についてカバーしている。
保険金は、電気製品など修理可能なものは修理の実費が支払われる。修理不可能なものや紛失したものは、その荷物にかけられた保険金額(梱包明細書の保険欄)にもとづいて支払われる。保険についても、引越業者の担当者によく内容を確認しておこう。

地球儀が没収されました !

皆さんご存知の通り、中華人民共和国 ( 中国 ) は中華民国 ( 台湾 ) の存在を認めておりません。地球儀には、存在しないはずの台湾が存在しているので税関で没収される、というウソのような本当の話があります。日本の常識ではなく、当事国の常識が優先されますのでご注意下さい。