蘇州

住宅マーケット概況

外務省の統計によると、2023年の在留邦人数は5,312名となっており、これは過去に比べて若干の減少を示しています。1,000社以上の日系企業が進出している蘇州では、特に日本人駐在員とその家族にとっての居住環境が整っている一方で、グローバルなパンデミックの影響や、経済的・政治的な変動により外国人の赴任者数が減少している可能性があります。
在留邦人数の減少にもかかわらず、賃料価格の大きな変動がないのは、新築マンションの供給増加によるものか、あるいは市場がこれまでの需要に応じて安定した状態を保っているためかもしれません。赴任者が主に個人オーナーの物件に住む傾向にあるという点は、サービスアパートメント(SA)よりもコストを重視する動向があることを示しています。
蘇州では個人オーナー物件の選好が見られるようです。これは個人オーナーの物件の方がより柔軟な契約条件を提供しているか、あるいは赴任者がコスト削減を求めていることの表れでしょう。しかし、サービスの手厚さや管理の質に関しては、SAに軍配が上がることも考慮する必要があります。

代表的な住居エリア

蘇州国家高新技術産業開発区

比較的に早い時期から、開発を進めたこともあり、日系企業の進出数はすでに500社に達しています。大型の外国人向けマンションも多く、日系スーパー、カルフールなどの大型ショッピングモールと「商業街」と呼ばれる有名な日本料理店街もあるため、蘇州市全体の約70％の日本人がこのエリアで生活しています。2005年に日本人学校が開校し日本人向けＳＡも多数あります。

蘇州シンガポール工業園区

蘇州市東部で中国政府とシンガポール政府の合作により開発をスタートしたこともあり、美しい街並みがつくられています。今では「左岸商業街」「師恵坊」という大型飲食店街があり、地下鉄１号線の開通とともに日本人の住む割合が年々、増えています。外国人向けマンションも増加しているので以前と比べると住みやすい環境です。

家具情報

蘇州は一般的に家具付き物件です。クーラー、冷蔵庫、洗濯機の他に天井照明、カーテン、ガスなど生活に必要な物を付けて賃貸に出している物件がほとんどです。これ以外にも契約前の事前交渉により、家具を追加することも可能です。

住宅慣習

一般的な仲介手数料

1か月分の家賃を仲介手数料として初回のみ不動産会社に支払います。

保証金

一般的に1か月分の家賃を保証金として大家に預け、原則として契約満了の後、退去後に全額返還されます。

契約年数

一般的には1年契約ですが、それより短期間の賃貸交渉も可能です。

契約方法

一般的には入居日までに初月の家賃と保証金を支払います。

解約方法

契約期間内の解約は通常保証金は違約金として没収されますが、契約によっては「何か月前までに書面で通知すれば返却する」という条項を盛り込むこともできます。

住居タイプ

マンション、一戸建て、オフィステル（住居兼事務所）、ワンルームなどがあります。

その他注意事項

現地の信頼できる不動産屋と条件などを十分に相談し、気に入る物件が見つかるまでは下見をした方がよいでしょう。但し、迷っている間に他の契約が入ってしまうこともあるので、気に行った物件が見つかりしだい、早めに契約することを、お勧めします。

その他の情報

日本人学校

蘇州新区玉山路に文部科学省認定の日本人学校があります。新区の中心部にあり付近には有名ホテルや日本料理店を抱える商業街があります。周辺には日本人駐在員が住むマンションも多く、日本人学校の生徒たちは保護者運行の送迎バス、ＳＡ提供の送迎バスで通学しています。

日本食

地下鉄の完成により、大型日系スーパーの進出が増えています。イオンモールは３店舗（新区、呉中、園区）がオープン。新区には、日系の泉屋があり、地下鉄駅（地下鉄一号線、玉山路駅）と隣接。園区には、久光デパートがあり、地下鉄駅（地下鉄一号線、時代広場駅）と隣接。さらに東の終点駅（钟南街）には、徒歩数分の所にイオンモール園区店があります。他に日本食材をあつかっている店舗では、しんせん館などがあり、日本人が多く住むマンションがあり便利です。新区には、オレンジストアー（獅山路×塔園路）、マックスバリュー店（玉山路）もあり、日本人が買物する環境は、とても充実しています。

日本語が通じる医療機関

日本語で対応可能な医療施設では、蘇州新区にある森茂診療所（内科、小児科）があります。他には、新区の普慈診療所（内科、歯科、婦人科、小児科）、徳真会歯科（園区、新区）２箇所あり、診療所によっては無料シャトルバスを運行しています。