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海外駐在員の多様化への取組

多くの企業は、海外駐在中における、その特殊性に対して、海外駐在員向けの特別の福利厚生制度を設けています。

その代表例として、一時帰国休暇制度や物資送付制度が挙げられます。

一時帰国休暇制度は、日本に一時帰国することによる静養や、定期的な健康診断の受診を主な目的とする海外駐在員向けの特別な休暇制度です。

単身者の場合には、日本に残る家族とのコミュニケーションの機会として設けているケースもあります。「家族帯同者や独身者は2 年に1回、単身者は1年に1回休暇を付与」というかたちで設定されています。

また、生活環境の厳しい地域や、日本食・日用品の入手が困難な地域への海外駐在員を対象に、日本食や日用品の送付を補助する制度を設けている企業もあります。

今般のコロナ禍において、日本から食料品や日用品を取り寄せることができたことで、帯同ご家族を含め、海外駐在員から大変感謝されたとの声もお聞きします。

【コア/フレックス制度】

一方で、海外駐在員のニーズは多種多様です。前述の一時帰国休暇では「日本に帰国するより、近場のリゾート地で休養したい」「なかなか業務の都合がつかず一時帰国は難しいので、日本から一時的に家族を呼び寄せたい」と希望する海外駐在員もおられます。このような海外駐在員一人ひとりの声を踏まえて、新たに制度を追加することや現行制度を拡充することは、コストの面からも簡単ではありません。

そのような中、コスト増となる制度の追加や拡充は難しいけれど、一定の制度範囲や予算の中で、海外駐在員が個人のニーズに応じてフレキシブルに利用方法を選択できるようなしくみ(コア/フレックス制度)を検討する動きが出てきています。

コスト増を伴わず海外駐在員の満足度をより高めることのできる海外版カフェテリアプランとして、今後多くの企業が検討を進める可能性があります。