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海外派遣勤務者の職業と生活に関する調査結果

希望通りが約6割

現在の海外派遣の本人希望との一致の程度は、全体では、希望にあっていなかった者が1割強にとどまる一方で、希望通りであった者が約6割と過半数を占めていたことから、かなりの程度希望と一致していることが分かる。

地域別にみると、希望通りであった者が多い地域として、ヨーロッパ、北米、それにオセアニアがある。逆に、希望にあっていなかった者は中近東とアフリカに多かった。

年齢別には20歳代、30歳代の若い世代では、50歳代と比べると希望と一致していたといえる。

内示は3カ月以内が7割

現在の海外派遣の内示があったのは平均で派遣の3. 4か月前(標準偏差3. 4か月)であった。2か月前までに内示を受けた者が45.5%、3か月前が25.6%存在し、これらをあわせると3か月以内が7割をわずかに超えていた。この数値は、過去の調査結果と大きな違いがない。

勤務地域別の特徴は、アジアへの派遣者の内示期間が特に短く、とりわけ中国では短かった。逆に、中近東、ヨーロッパ、中南米への派遣者の内示から派遣までの期間は長くなっていた。

派遣期間の規定ないしは目安があるという比率は約6割にとどまっていた。アジアのうち、特に中国では、派遣期間の規定も目安もないという比率がかなり高くなっていた。

年齢階層別では、独身者が多いとみられる20歳代では、内示から派遣までの期間が特に短いのみならず、派遣期間についての規定も目安もない場合も多いということが分かった。

派遣期間の規定・目安が示されている場合、その期間は4.2年間(標準偏差1.1年)というのが平均値である。この数値は、従来の調査結果からほとんど変化していない。派遣期間は、3~5年間の範囲に94.7%が収まっていた。

給与面に対する満足度が向上

仕事の満足度に関して、「日本の同僚と比べたあなたの給料の額」、「給料と仕事の量との関係」といった給与面に対する満足度が向上しており、現地の処遇改善と国内処遇の厳しさを反映している可能性が考えられる。

また、地域的には、これまでと同様、途上国のアフリカ、中近東において、先進国に比べて満足度が低い傾向がみられるが、一方で、アフリカでは「仕事から得られるチャレンジ感」、「上司から受ける処遇の公平性」において満足度が向上している傾向がみられる。

「現地生活の満足度」変わらず

現地生活の満足度について、回答者全体においては、前回調査と今回調査の差異はみられなかった。勤務地域間では、中近東、アフリカで生活満足感が低いが、部分的にアフリカにおける「住宅」、「子供の教育(該当する方のみ)」、中南米の「医療環境」については比較的高い満足度が示されている。この結果は、海外派遣勤務者が現地の特別な地域に居住している可能性を示唆している。

学齢期の子供の帯同「いない」65%

「帯同している家族の中に学齢期の子供がいるか」を見てみると、「いる」が29.6%、「いない」が65.3%となっており、前回調査とほぼ同様の結果となっていた。ただ、年齢によって大きな違いがあり、「いる」の割合が40~44歳で約6割と最も高く、この年代を頂点として前後に低下している。

また、40歳代では、帯同している子供の人数も「2人」が最も多く、他の年代と異なっていた。年齢による家族構成や子供の年齢による影響が現れているものと思われる。地域的には、北米とヨーロッパで「いる」の割合が4割とやや高かった。

北米、オセアニアは「現地校」が8割

帯同している子供が通っている学校は、「日本人学校」が最も多く、ついで「現地校」となっていた。しかし、地域による違いが大きく、アジア、中近東、ヨーロッパ、中南米、アフリカでは「日本人学校」が半数以上を占め最多となっているのに対し、北米、オセアニアでは低く、その代わり「現地校」が8割を超え著しく高かった。また、「補習校」の割合も相対的に高く、北米では6割にも達し、オセアニアでも4分の1となっており、現地校と両方に通っている人が多いと思われる。

帰任後の不安「疎くなる」34%

帰任後の仕事上の不安として最も多いのは「社内の制度や規則の変化に疎くなる」(34.1%)で、これに「日本での仕事の進め方になじめない」(33.0%)、「社内のインフォーマルな最新情報に疎くなる」(28.1%)、「海外での経験が役に立たない」( 2 6 . 5%)、「社内の人脈が薄くなる」(22.4%)などの不安が続いていた。

生活上の不安「子供の教育」33%

帰任後の生活上の不安として最も多くの派遣者が挙げたのは「子供の教育問題」(33.2%)である。ついで多かったのが「国内の事情に疎くなっている」(27.0%)、「住宅取得など資産形成上の不利」(21.2%)の2項目である。「子供の教育問題」を年齢階層別でみると、35-39歳層(50.4%)、40-44歳層(55.3%)でいずれも半数を超える派遣者が不安を持っている。

これに対し50歳以上層と20歳代層では相対的にこの比率は低い。中学生、高校生を持ち、赴任地に子供を帯同している派遣者(35-49歳層)ほど「子供の教育問題」に対する不安が多い結果となっている。

「第7回海外派遣勤務者の職業と生活に関する調査結果」(労働政策研究・研修機構。2008年4月)の「序章調査結果の特徴と概要」から抜粋