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海外家探しは異文化交流の窓口

海外赴任コンタクトデスク

赴任時に最も時間がかかり、思い通りになかなか運ばないことに家探しがあります。それにはいくつかの理由がありますが、原因を探っていくと、まさに異文化体験!―考えようによってはその国を理解するまたとない機会でもあります。今まで対応させて頂いた家探しサポートの中で、私たちも「へえ~」と驚いてしまった事例をお伝えします。

北京

一時期話題になった不動産バブルの影響を最も受けたのが北京でした。そのピーク時の話です。赴任前の現地視察時に住宅を視察し、お気に入りの物件を見つけられた方がいました。不動産会社を通じて家主に賃借する旨の申し入れをし、安心して帰国の途につきましたが、そこに思わぬ落とし穴がありました。現地では不動産の高騰から賃貸物件を売却し、不動産投資の利益確定を急ぐ動きがあり、その結果賃貸物件を追い出される日本人赴任者が続出していたのです。住む家を失う方々は当然他の賃貸物件を探します。そのため北京の賃貸市場は一時的に需要過多となったのです。

いったんは月額2万元で合意した賃貸借契約は、「もっと高いオファーが来ている」との家主の強い交渉の結果、契約締結時には2万8千元に跳ね上がりました。その間わずか1カ月。

実は似たような話は中国に限らず、世界各地で見られます。契約書を交わし、保証金などを振り込んでいない限り、合意はなされていないのです。日本企業の場合、口頭合意から実際の契約までの間に、社内承認などに時間を要することが多く、このような事例はよく見られます。家主と対等に渡り合うためには、ある程度の決済権を赴任者に持たせ、契約締結、保証金等の支払いを迅速に行えるよう準備することが重要です。

ニュージーランド

帰任時に敷金をどのように回収するか? 果たしてきちんと返してくれるか? 日本ではあまり心配することのない事項かもしれませんが、個人オーナーが多い海外の物件では返還されないケースも多く頭の痛い問題です。しかし、ニュージーランドにはこうした心配のいらない素晴らしい法律があります。Residential Tenancy Act1986というもので、家主は受領した敷金を、Department of Buildingand Housing(建設省)に預託し、その後敷金は省庁が保管します。解約時には省庁から返金されます。仮に住替の場合には返金を受ける代わりに、省庁に申請することで住替後の住居の敷金に変更することも出来ます。米国などでも家主は受領した敷金を銀行の信託口座に預け入れ、事業資金等とは別に管理することが義務付けられていますが、ニュージーランドの制度はその先を行くもので、日本などに比べて格段に法整備が進んでいます。

このように、家探しは家主との交渉や整えられている法律等から人々の考え方や都市の仕組みを理解するまたとないチャンスです。何かと手はかかりますが、そこはよい経験と割り切って当たられるのがよいと思います。