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二重国籍の落とし穴

海外赴任コンタクトデスク

海外に赴任される方が若年化していることと、赴任者が増加している中国やアジア諸国の主要都市の住環境が整備されてきていることから、赴任先でお子様を授かる方が増えています。

その時に考えるのが「国籍」。日本では「日本人の子は日本人」が当たり前、むしろ当たり前すぎて意識すらしませんが、赴任先によっては生まれた国が母国であるという考えのところもあります。これを出生地主義と言います。米国が有名ですが他にもカナダ、ブラジル、アイルランド、ニュージーランド、アルゼンチンなどがあります。

これらの国で出産をすると、お子様にはその国の国籍が与えられます。一方で日本は両親のうちいずれかが日本人であれば日本の国籍を与えるという「血統主義」の国です。そのため、出生地主義の国で両親いずれかが日本人である子供が生まれると、その子は二つの国の国籍を持ちます。これが「二重国籍」と言われるものです。親にとっては子供の可能性を広げる非常に魅力ある状態ですが、これが将来落とし穴になる事がありますのでご注意を。

とある赴任者様のケースです。米国に赴任が決まり、弊社で赴任手続きを開始したところ、ご本人様より「実はアメリカ国籍を持ったままなのですが、大丈夫でしょうか」と連絡がありました。アメリカはビザが取りにくい国なので、何かと頭を悩ませることが多い私たちとしては、ビザが不要になることでちょっと安心したのですが、その直後、奥様を帯同されることに気付いたのです。

こうなると大変です。実は米国国籍を持つ方が日本国籍の奥様をお連れになられるのは、米国から見たら国際結婚とみなされるのです。

赴任者の奥様のビザは入籍さえ済んでいればなにも心配することなく手続きできるのですが、国際結婚となりますと手続きは非常に煩雑になります。

その結果、この方は当初の予定を大幅に変更せざるを得なくなりました。また、手続きに婚姻が関連することから、手続きのほとんどをご本人様が行わざるを得ず、赴任前の多忙な時期にかなりの時間を割かざるを得なくなりました。

このケースではご本人様の申告により、事前に対応策がとれましたが、中にはビザ申請書を米国大使館に提出したところ、大使館からの指摘により自分が米国籍を持っていることをお知りになられた方もいらっしゃいます。

この他にも成人することで、世界のどこに住んでいたとしても、納税申告義務が発生する国もございます。国内収入が無いため課税はされませんが、課税されないものを毎年申告し続けるといのも、歓迎できる状態ではありません。

素敵な選択肢の二重国籍ですが、大人になると思わぬところで落とし穴があります。お子様が大人になられた際には、その点をご両親より教えてあげてください。