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便利さを楽しむ中華圏

山川亜沙美(会社員)

「おみやげに何を持って行ったらいいのか困る」

中華圏(台北、香港、広州、上海)に駐在し、今年で5年目になりますが、冒頭の言葉は日本から訪れる家族や友人の悩みです。中華圏の大都市は日系企業の進出も多く、滞在する邦人も数万人単位。日本食が手に入る店も多く、住む場所によっては外国語を使わず暮らすこともできるほどです。筆談が可能なのも心強いでしょう。そのため、日本の物や文化が恋しいことは、他国・地域に比べると少ないと思います。

台湾、香港ではやや高めながら、日本語の書籍がタイムリーに手に入ります。ホビーやファッション誌まで充実しているのは、現地にも日本の流行が根づいている証拠で、うれしいですね。ただ、中国本土は事情が異なるので、日本の活字に飢える人は少なくありません。

そのかわり、中国本土ではタウン誌に当たる日本語のフリーペーパーが多数発行されています。特に上海は数誌が発行される激戦区。グルメや休日の予定作り、趣味のサークル探しにはぴったりです。

「そんな生活では海外に住む張り合いがない」という方もいるかもしれませんが、週末や休暇中の旅行はやはり醍醐味。中華圏では旧正月(春節)が長期休暇の筆頭。台湾は連休が一番少なく、中国本土は国慶節など7~10連休もあります。3~4連休が年間にばらけている香港はプチ旅行に最適です。

アジアの交通ハブを自称する香港からは、海外旅行が断然便利。特に東南アジアは至近距離です。台湾、中国ではぜひ、海外ではなく地場旅行を楽しんでみてはいかがでしょうか。日本から直行便のない都市へ手軽に訪問できる機会はなかなかありません。住む土地を知れば愛着もわいてきます。

上海や広州、北京は地方都市への直行便が豊富ですし、台湾の高速鉄道は日本の新幹線そのもの。日帰り旅行をよくしていました。台湾は日本と同じ本格的な温泉まであります。

このほかの休日の過ごし方としては、映画鑑賞。ハリウッドや香港映画は日本より公開が半年から1年近く早いこともあるので、話題も先取りできます。

ほかに案外あなどれないのが日本の芸能人のコンサート。「日本では絶対に行くことはないだろうな」と思われる人やグループも、意外と簡単にチケットを手に入れることができるので、新たな音楽の発見につながることもあります。

また、語学学習やカラオケの持ち歌づくり、ローカルスタッフとのコミュニケーションのために、北京語や広東語、台湾語で現地アーティストの歌を覚えるのも楽しいものです。

便利さを享受しつつ、異文化体験も可能。日本語でつかめるきっかけもたくさんあります。中華圏に住むことになったら、ご当地を楽しむ一歩を気軽に踏み出してみて下さい。