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子供の小学校入学を体験して

赴任が決定した時にまず考えたのが「子供」のことです。主人の仕事のための海外渡航で、子供が選択したものではありません。そのため最初は日本のお友達と遊べなくなってしまう、好きなテレビ番組が観られなくなってしまう、など寂しい思いばかりだったようですが、日が経つにつれ海外の生活や新しいお友達が出来た時のことなどを話すようになり、渡航を楽しみにするようになりました。

子供の入学にあわせてカナダへ渡航したため、小学1年生の最初から授業を始めることが出来ました。初日は日本のように入学式の特別なセレモニーはなく、教室へ行き担任の話を聞くことから始まりました。ここでまず驚いたのが、子供達が先生を囲んであぐらをかいてお話を聞くこと。また初日にも関わらずたくさんの子供が手を挙げて発言すること。私は初日からカルチャーショックを受けたのですが、ふと自分の子供を見ると言葉の壁があるにも関わらず新しいお友達と仲良く遊んでいました。

それから何か月間は国の子供に対しての考え方や学校の教育制度に驚く面や感動することがたくさんありました。子供は通学にスクールバスを利用していました。朝は家の近くのスクールバスのバス停まで見送り、帰りの時間にまたバス停まで迎えに行きます。子供達が乗降車している時は、必ず周りの車は停車しなければなりません。これは対向車も同じで、子供達が万が一飛び出してきた時の交通事故のリスクをなくすためのものです。

お迎えが終わり家に着くと、「それじゃ買い物に行ってくるからお留守番よろしくね」という会話は、カナダでは有り得ないことです。カナダは法律で「12歳までは必ず保護者がついていなければならない」と決められています。これはお留守番に限らず、公園に遊びに行く時も同じ。外出先で「ちょっとお買い物をしてくるから待っててね」と、車の中で子供を待たせることも禁止されています。

9歳までチャイルドシートが義務付けられているため、私の子供もチャイルドシートを利用していました。外出のたびに着用するのは面倒だと思っていたことを覚えています。特に、小さな赤ちゃんを連れている家庭は、マイナスの気温が続く冬は外出のたびに洋服の着替えと凍える手でチャイルドシートの装着をしなければならないので大変な手間です。

しかし、小さな体罰でも警察に通報されたり、保護者がいつも同行しなければならない法律があったり、チャイルドシートの規則が厳しかったり、国全体で子供達を守る意識があったので子供を連れての生活がしやすい環境でした。

さて、お友達がすぐに出来た我が子でしたが、言葉の壁もあり学校の授業に追いつくのはとても大変でした。カナダは、小学校でも成績が悪ければ落第することがあります。この基準はクラスごとではなく、学校が定めたレベルでA~Fに分けられます。学校から家に帰ってきたら、私と主人も一緒になって宿題や復習をしました。また、英語の環境に囲まれているため、日本語を忘れないように土曜日は日本語学校へ通っていました。

勉強の毎日で可哀想な思いをさせた時もありましたが、反対に長期休暇の間は宿題がありません。今まで苦労した分、思いっきり遊ぶことが出来たようです。カナダへ赴任したことで日本にいる時よりも子供と過ごす時間が多くなり、家族での外出やイベントが増え、とても充実した赴任生活を過ごすことが出来ました。

渡航前は日本の風習や文化、礼儀などの良い所を学ぶチャンスが減るのではないかと心配していましたが、逆に日本と海外、それぞれの良いところを学ぶ機会を子供に与えることが出来たと思います。