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海外が子どもに与える影響

豊田 真紀(主婦)

私たちには8歳になる娘がいます。娘が生まれてすぐ日本を発ち2008年6月まで英国に赴任していました。

海外でしか出来ない体験をさせたいと思い、娘をインターナショナル・スクールへ通学させていました。日本語の教育については、毎晩日本語の絵本を読み聞かせし、家での会話は日本語に徹底するなど人一倍熱心に行っていたつもりでした。

帰国が決まり、娘に「パパのお仕事が終わったから日本へ帰ることになったよ」と伝えたところ、衝撃的な一言が返ってきました。「日本へ行くのね。いつイギリスに帰って来るの?」と、まるで旅行にでも行くようでした。娘は自分が日本人であることはもちろん理解しています。しかし、幼少から生活をしていたイギリスが自分の故郷であり、生活をしている場所だからいつか帰ってくるものだと思っていたようです。小さい頃からの滞在でしたから仕方がないのかもしれません。日本へ帰るということは、もうイギリスには住まないということ、お友達とお別れすることだと説明し、なんとか納得した様子でした。

それからというもの、主人と私は娘との会話の中に「帰国したら...」という言葉を意識して取り入れることにしました。娘も理解し、日本へ帰ることへの期待とイギリスを離れる寂しさを小さな心で考えていたようでした。

海外で生活をすると、子どもにとっての視野が広がるなど様々な点でプラスな面が多くありますが、海外にいても「日本人である」ということと「いつか日本に帰る」という感覚を忘れないように日本語(母国語)教育をしてあげたいものです。

お子さんがまだ小さい方は、絵本の読み聞かせをお勧めします。絵本はテレビやアニメと違い、目の前で読んでくれるお話に子どもたちはリラックスして習得が出来ますし、映像と違って子ども自身が聞いた内容をイメージして驚いたり、怖がったり、笑ったり、楽しんだり様々な利点があります。

幼少期を海外で過ごした子どもにとっては、日本は知らない国(異国)です。または、我が家のように「おじいちゃん・おばあちゃんの住んでいる国」という認識の場合もあります。帰国することは、子どもたちにとってはほとんど知らない国に行くという場合もあります。そのような場合は、子どもにも負担が出てしまいます。

私の娘のようにお子さんが就学年齢に達している場合は、帰国後の編入先学校などで周囲が「帰国生」というだけで、「英語(その他語学)がペラペラ」と思われてしまうというエピソードをよく耳にします。言葉が上手く出てこないと、周囲の自分に対するイメージと自分の実力の差に困惑したり、コンプレックスを抱いたりしてしまう可能性もあります。お子さんが自信を失わないように配慮してあげましょう。