計画の立て方

情報の収集から

海外赴任が決まると、「現在住んでいる住居をどうするか」から始まり、「日本に残していく荷物と赴任先へ持っていく荷物の仕分け」「子どもの転校手続き」「予防接種」など、処理しなければならない用事や作業が次々に重なってくる。
心身ともに負担が大きくなることはわかっているのだから、早めに大まかな計画を立てるとともに、さまざまな生活関連の手続きや引越しの手順など、出発までに必要な項目を一覧表にしたチェックリストを作っていきたい。
海外赴任が決まったら、まず赴任国に関する著書やガイドブックなどを入手して簡単に目を通しておこう。
赴任国の政治・経済・社会・文化・教育・保健など、入手した基礎的な情報は、項目ごとにファイルしておくと便利だ。そのなかでもとくに重要と思われるものは、専用のノートにまとめておくとよい。
資料の収集と並行して、勤務先や海外赴任サポートの専門業者などが主催する赴任者講習会に参加すれば、さらに詳細な情報を得ることができる。講習会では、赴任のための各種手続きから引越荷物のまとめ方や送り方、現地における住まい探し、子どもの転校手続きなどまでアドバイスしてくれる。

計画を立てる

情報を集めながら、ある程度の大まかな計画を立ててみよう。情報収集も計画も、家族みんなで話し合っていくことがコツである。それも、できるだけ明るく前向きに考えるようにしよう。
一度決めたことでも、新しい問題が出てきたら、再度みんなで話し合えばよい。また計画は、「夫」と「妻子」の二段に分けて立てていくと便利である。とくに夫が先に赴任する場合は、夫婦の役割分担が不明確だと事務処理の漏れや手違いが生じやすいので気をつけよう。

準備の進め方

旅券(パスポート)の取得は早めにすませ、ビザの申請は勤務先または旅行代理店などに手配してもらう。
電気・ガス・水道など生活関連の通知や連絡のほか、固定資産税や子どもの学校の手続きなども、スケジュールができれば順調に進めることができる。
なお、市区町村役所に国外転出届を出してしまうと印鑑証明がもらえなくなってしまう。自動車の売却などがあるときはとくにスケジュールに気をつけたい。
特集として「各国ビザ情報」を掲載した。アメリカ、フランス、イギリス、中国などのビザ取得の手順のほか、ビザの用語などについても取り上げた。

住まいの手続き

現在住んでいる住宅をどうするかも大きな問題だ。賃貸住宅の場合は、早めに明け渡しの日を連絡するだけですむが、持ち家の場合はそうはいかない。基本的には、リロケーション業者などの不動産会社に依頼して賃貸するか、空き家のままにしておくのか、売却するのかを決めることになる。
特集として「海外住宅事情」を掲載した。各都市の駐在員住居エリア、住宅慣習、不動産会社紹介など知りたい情報を解説している

引越しの手配

収集した情報にもとづいて引越荷物の準備を始めるが、現在使っている荷物を、日本に置いていくものと赴任地へ持っていくものとに仕分けするのもひと仕事である。
電気製品は、ものによっては課税されたり持ち込めなかったりすることがあるので、確認しておこう。ラジオやビデオデッキなど赴任国の周波数・放送方式などによっては使用できないものもある。日本に残していく荷物は親戚などに預かってもらってもよいし、トランクルームなどを利用する方法もある。< br /> ペットを連れて海外へ赴任される方も多いと思う。ペットの送り方・持ち込み方、動物の医療、ペットフード、ペットシッター、ペットホテルなどを取り上げた。

保健・医療

赴任地が決まったら、インターネットなどを使ってできるだけ現地の最新情報を集めるようにしよう。前任者から医療や健康に関する体験談、アドバイスなどを聞いておくのも一つの方法だ。あとで役に立つことが多い。
情報を集めたら、家族全員の健康診断や予防接種について、学校やかかりつけの医師に相談し、アドバイスを受ける。治療中の疾病はできるだけ治しておきたい。あわせて、健康診断書や母子手帳、保険証書などの重要書類を整理していこう。気候・風土・生活・習慣などが変わると体調を崩すことが多い。赴任地に着いたら、家族全員の心身の健康管理に心がけよう。

子育て・教育

海外に子どもを帯同する場合は、どういうふうに育てたいかの方針を夫婦でよく話し合っておくこと。小学校高学年以上の子どもならば、本人の性格や希望にも配慮する必要がある。年齢によって必要な準備や手続きも異なってくるので、必ずチェックリストを作って、学校関係の書類、教科書の受領などに漏れのないように気をつけよう。
ここでは、海外での子育ての準備から教育の選択、帰国後の教育、さらに海外での出産についても取り上げた。

赴任地での暮らし

赴任先に着いてからも、しばらくは多忙な毎日が続く。出発前に立てた計画通りに進まないことも多いが、チェックリストをしっかり作っておけば、焦る必要はない。不便さや不自由さばかり気にしないで、現地生活に明るい希望をもつようにしよう。
ただし、安全対策には出発前から心構えが必要で、「自分の身体と財産は、自分自身で守る」という基本を忘れないようにしよう。