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新しい生活を楽しもう

国政選挙への参加

在外選挙制度の創設により、2000年5月1日以降の国政選挙から、海外赴任者も投票に参加できるようになった。海外で投票するためには、まず在外公館(大使館・総領事館)で「在外選挙人名簿」への登録申請が必要である。
在外選挙人名簿に選挙人として登録するためには、次の要件をすべて満たしていなければならない。
1.満20歳以上の日本国民であること
2.海外に3か月以上居住していること(住所を選挙管轄している在外公館の管轄区域内に引き続き3か月以上住んでいる人。なお、2006年の制度改正により、2007年1月1日から3か月未満の場合でも申請できるようになった)
3.在外選挙人名簿に未登録であること(日本国内の最終住所地の市町村に転出届が未提出の場合は在外選挙人名簿に登録できない)
申請書の提出方法は、申請者本人または在留届に記載されている同居家族等が、その住所を選挙管轄する在外公館の領事窓口に直接申請する。申請書は在外公館にあるが、総務省ホームページからダウンロードしたものでも可。
在外選挙人名簿に登録されると、投票に必要な「在外選挙人証」が、市区町村選挙管理委員会から在外公館を通じて交付される。
選挙できる選挙区は、名簿登録された市区町村の属する選挙区となる。
投票できる選挙は、衆・参比例代表選挙、衆議院小選挙区選挙及び参議院選挙区選挙並びに次回の在外選挙以降に行われる補欠選挙・再選挙。
投票の方法は、在外公館投票と郵便投票のいずれかを自ら選択することができる。また、一時帰国の際にも、国内における一般の選挙人と同様に投票できる。

在外公館投票

在外選挙人名簿に登録されたすべての選挙人は、その居住地にかかわらず、投票記載場所が設置されているいずれかの在外公館において、在外選挙人証及び旅券等の身分証明書を提示の上、投票することができる。

郵便投票

あらかじめ登録先の市区町村選挙管理委員会に対して、「在外選挙人証」と「投票用紙等請求書」を送付の上、投票用紙等を請求しておく。当該選挙管理委員会から投票用紙等の交付を受けた後、記載した投票用紙等を再度登録地の市区町村選挙管理委員会に日本国内の選挙期日(国内投票日)の投票終了時刻(午後8時)までに投票所に到達するよう、直接郵送する。

帰国投票

在外選挙人は、選挙の時に一時帰国した場合や帰国後国内の選挙人名簿に登録されるまでの間は、在外選挙人証を提示の上、国内の投票方法を利用して投票することができる。

在外選挙の詳しい情報は
外務省ホームページ http://www.mofa.go.jp/
総務省ホームページ http://www.soumu.go.jp/
ファミネット在外選挙情報室 http://www.faminet.co.jp/senkyo3/index.html

家事サービス

日本の家庭でメイドやベビーシッター、運転手などを雇うことはほとんどないので、そうした使用人を使うとなると、勝手がわからず戸惑うことも多い。まして宗教も習慣もまったく異なる人間が家に出入りすることは、それ自体がストレス源となる。
不慣れな土地で主婦が家事一切をこなすのは、大変なことである。買い物も近所づきあいも勝手が違うし、日本の自宅に比べて格段に広い家に住めば、掃除の負担も増す。
もし使用人が雇え、掃除や洗濯をカバーしてもらえれば、家族で過ごす時間は増えるし、趣味や勉強の時間もとれる。病気や出産のときなども、日頃から家事や育児をこなしてくれる人がいると、本当に助かる。
文化・習慣の異なる他人が家に入ってくるのだから、ある程度の摩擦は仕方がないが、その土地の人と身近に接する貴重な機会でもある。素顔のつきあいのなかから、多くのことを学べるチャンスだと考えたい。

摩擦を減らすコツ

使用人との摩擦を減らすコツは、雇う前の「心の準備」である。あらかじめカバーしてほしい家事の内容や範囲を、夫婦で話し合っておくことである。
メイドならメイドに、何をどの程度してほしいのか、何時から何時まで働いてもらいたいのか、「住み込み」がいいのか「通い」がいいのか、などをはっきり決めておきたい。
また、使用人の宗教・習慣、皮膚感覚が、日本人と大きく異なっていることの覚悟も必要である。仏教や儒教であっても、いまの日本にあるものとは違うことに注意したい。
そして、使用人の雇用と管理は「安全管理」や「子育て」と密接にからんでいるので、夫婦の共同作業であることを共通理解しておく必要がある。契約外のことを頼んだりしてトラブルの原因をつくるのは、夫の方が多いようである。また、主婦が精神的に疲れていて、使用人を使うどころではない場合は、思い切って雇わないことにするのも、大事な決断である。
使用人の探し方には、その地域独特のやり方があるので、前任者や家主などと相談しながら進めるとよい。面接は、できるだけ夫婦で行うが、やってほしい仕事の内容と範囲を説明し、給与などの条件を決め、必要なら契約書にしておく。相手の身元や人柄を確認し、身分証明書(運転手なら運転免許証も)のコピーを提出してもらう。また、健康状態にも気をつけなければならない。先進国といえども病気は蔓延しているので、変な咳をしていたり、発疹・皮膚炎、チック症状などが目についたりしたら要注意である。運転手ならX線撮影検査を受けさせる場合もある。

立場をはっきりさせる

仕事の内容や範囲がおたがいに明確であれば、行き違いは少ないが、微妙な部分については「すり合わせ」が必要だ。最初の2~3週間は根気よく、こちらの生活習慣を理解してもらう。その際、笑顔を絶やさないことと、適宜褒めることがコツ。衛生管理(石鹸で手を洗う習慣や入浴、身なりなど)や戸締り、火の始末については最初から徹底する。
雇い主と使用人の立場をはっきりさせておくことは、日本人には辛い試練だが、これを好い加減にすると、誰の家だかわからなくなる。
少し褒めると慢心して手抜きを始めたり、信頼していることを理由に雇い主の領域に踏み込んできたりする事例は無数にある。試用期間(通常1か月)内にこうした態度が見られれば、すぐに辞めさせたほうがよい。
ヨーロッパ系の文化では鍵の管理は主婦の仕事だが、日本の主婦は「平和ボケ」といわれるほど鍵の扱いが下手である。使用人を雇っている場合は必ず、現金や装身具などの貴重品は鍵のかかる戸棚などに保管すべきだが、「メードの前で鍵をかけるのは、信用していないと思われるのではないか」と気にする。使用人の側からすれば、鍵をかけてないと「試されているのか」と疑心暗鬼になるし、かえって犯罪を誘発することもある。鍵は「開けないでほしい」という意思表示にしかすぎないが、この意思表示が防犯の第一歩である。 使用人に落ち度や契約違反があったら、すぐに口頭で注意する。ただし、ほかの使用人の前で叱ると、体面にこだわって意固地になりやすいので、人払いするか場所を変えて、冷静に諭すことが鉄則である。ちょっとした窃盗・横領、軽い事故などであれば「警告書」で収める。
この警告書が短期間に二度あるのに、さらに落ち度があった場合や、家族へのセクハラや危害、飲食物の中に害のあるものを混ぜたりするような「危険犯」の場合には、すぐに辞めさせる。しかし、雇う側に契約違反やセクハラ・暴力などがあると、逆に訴えられるので注意したい。

ベビーシッター

先進国では通常、12歳未満の子どもだけで留守番させることを禁止している。児童福祉法違反で検挙される地域もあるので注意が必要だ。誰かに「子守り」を頼む場合、子どもに飲食させてよいものや触らせてよいもの、絶対にさせてはならないこと、また就寝時間などを最初に徹底しておく必要がある。留守中の緊急連絡先などと一緒に、大きな紙に書いて壁に貼っておくのも一つの方法である。
近所の高校生などに「子守り」を頼むことも多いが、慣れていないベビーシッターのなかには、不注意でケガをさせたり、ぐずる子に体罰を与えたりする例も少なくない。病気を持っている場合もある。着替えや入浴の際に子どもの全身をチェックして、内出血や発疹などが出ていないかどうか確認することが必要である。
また、使用人によるセクハラにも要注意。年配の運転手であっても、女の子を一人で車に乗せるのは非常識とされている。

赴任国の身分証明登録

赴任先での生活が始まると、常時パスポートを持って歩くことはおっくうだし、紛失の危険も高くなる。その国の身分証明書(IDカード)が取得できれば、家を借りたり自動車を買ったりといった契約時にも、銀行口座を開いたり運転免許を取ったりするときにも便利である。国によっては、官公庁などの玄関で身分証明書と交換で入館証をもらえるシステムのところがあり、パスポートを渡すのが怖い場合も多い。
アメリカでは「ソーシャル・セキュリティ・ナンバー(SSN)」という社会保障番号があり、それが納税も含む社会生活のための「市民背番号」になっている。戸籍のないアメリカでは、個人を特定する唯一の方法であり、あらゆる法律行為の必要要件となっている。
申請に必要なものは通常、パスポートとビザの証明書(アメリカならDS-2019、I-94など)だけで、管轄の役所で簡単に手続きできる。身分証明書を持つということは、その国に合法的に滞在しているという証しであり、多くの手続きが円滑に進むようになって、世界が急に広がるような気持ちになる。赴任国についたら、すぐに取得を考えたい。

買い物について

最近は、どこの国にもスーパーや百貨店のたぐいができていて、言葉が不自由でも手軽に買い物ができるようになっている。しかし、国や地域、また店の種類により、ちょっとした習慣の違いがあって、戸惑ったり感心したりすることも少なくない。
百貨店や大きな薬局などでは、商品が決まったら伝票をもらってレジに行き、代金を払った控えと交換で商品を受け取るところもある。バーゲンセールの時期や内容も、その国の習慣・年間行事などによって特色があるので、日ごろから欲しいものをリストアップして、いつセールがあるか聞いておくとよい。
大型スーパーでは、万引き防止のために入口で手荷物を預けるシステムになっていたり、商品を載せるカートを借りるのにコインが必要だったり(カートを戻すとコインを返してくれる)することも多い。また、レジが現金、クレジットカード、小切手の支払い方法により別々になっているところでは、並ぶ前に確認が必要である。先進国では、環境保護のために買い物袋を持参する習慣のところもある。
専門店に行けば、スーパーと比較にならない品ぞろえの豊富さに驚かされることも多い。その国・地方の独特の商品が見つかったり、専門知識をもつ店員から使い方や調理法などを教えてもらったりする楽しみもある。
その土地の庶民の生活に触れるには、何といっても生鮮市場である。常設のものもあれば、曜日や時間が決まっている市場もあるので、近所の人に教えてもらうとよい。安くて新鮮なものが豊富にあるものの、値段交渉に慣れるまでは少し苦労する。
しかし、品物を見る目を養い、相場がわかるようになれば、馴染みの店もできて楽しくなる。通常は、衣料品やカバン、履物などの店、また食堂なども市場の中に併設されている。 なお、引っ越していく家庭では、不要品を安く処分する「ガレージセール」をやることが珍しくない。スーパーなどの掲示板や地元新聞にお知らせが出る。「こんな便利なものがあるのか」というような掘り出し物に出会えることもある。
英国では「ブーツセール」ともいうが、車のトランクを「ブーツ」と呼ぶことに由来する。

マナーや使用人に関する参考図書
『知ってて良かった世界のマナー』(JETRO)
『世界に通じる暮らしとマナー』(海外情報サービス)
『海外暮らしのマナー入門』(Japan Times)
『海外生活と使用人―使用人は異文化との出会いの第一歩』(海外支援センター)