車の購入・運転

赴任国で車を購入するのはなかなか難しい。また、所有するとなると、日本と同様に保険、名義登録、税金など各種煩雑な手続きが必要になる。
購入先はカーディーラー、中古車ディーラー、個人などに分類できる。中古車情報は、地元の新聞や、中古車ディーラー、スーパーなどに無料で置いてある中古車情報雑誌などから集める。
どこから購入するにしろ、目当ての車をどう評価するか、「目利き」の問題に関わってくる。ここではアメリカの例をひきながら見てみよう。

購入時のポイント

 カーディーラーで探す場合は、欲しい車をはっきり告げる。
そうすると、ほかの車をすすめられないし、もし希望の車がなければ、「あとで見つかったら連絡をして欲しい」と言っておくと、できるかぎりこちらの要望に沿って車を探してくれる。
また、交渉のたびにあちこちにサインを求められるが、サインは必ず納得してからにすること。
口で言っていた数字と契約書の数字が一致しているか要注意。言葉がよくわからなければ、その契約書のコピーをもらって帰り、自宅で読み直してもよい。
「明日まで待てない」という脅しに屈したり、頭金を払ったりしないことである。ローンを組む場合は、カーディーラーが銀行と交渉してくれる。

中古車選びのポイント

 中古車ディーラーには、古い車、マイル数が多い車、傷が多い車、事故車などが多い。
 ポイントはいくつかあるが、まずは「走行距離」をチェックしよう。
 日本の中古車と比べ走行距離が長いのが当たり前なので、走行距離が短いということは、それだけで車に対するダメージが少ないと考えてよいだろう。走行距離が長くなればなるほど、当然故障箇所も増えるわけである。
 次は「年式」である。10年以上前につくられた車が現役で走っている場合が少なくないが、7年以上経過した車は避けたほうが無難。
 「車の持ち主(経歴)」についても知っておこう。所有者が何回も変わっていたり、あるいは、レンタル会社で使われていたりしたものとなると何らかの問題がある場合も多い。事故車は、いくら修理しても故障する確率が高いから手を出さないほうが無難である。金額が極端に安かったら、何か問題がある車と考えたほうがよい。
 個人から車を購入する場合、カーディーラーや中古車ディーラーより安く購入できる。代金は一括で支払う。また、車がすぐに故障しても返品することはできない。「所有者権証(Certificate of Title)」のほかに、売買証明の契約書をつくっておくと安心だ。
 購入の前には、必ず試乗をする。試乗の際は、エンジンを自分でかけてみて、変な音や臭いがしないかを確認する。また、運転席に座り、天井がタバコのヤニなどでよごれてないか、シートにしみはないかなど、さらにタイヤの片方だけが減っていないかなど、無理な運転をしていなかったかも確認したい。

運転上の注意

 海外でハンドルを握るときは、免許証のほかに身元を保証するもの(IDカード、パスポートの写しなど)を持ち、保険会社にもすぐに連絡がとれるようにしておく。
 シートベルト、チャイルドシート(カーシート)の着用は、どこの国でも義務付けられている。とくにヨーロッパ大陸やオーストラリアなどでは、後部座席にも義務付けられていて、違反すると罰金の対象になるので気をつけよう。
 右側通行の国では、右折が常時可能だったり、左折で反対車線に入りやすかったりするので、慎重に運転したい(右ハンドルは避けたい)。また、スクールバス(通常は黄色)が反対車線に停まった場合、周囲の自動車は停車することになっている国が多いので要注意である。
 大都市であっても、危険地区(貧民街や人通りが少ない場所、ゴミ・落書き・ホームレスが多い場所など)には乗り入れないようにする。入ってしまったら、すぐに引き返すようにする。また、夜間は雰囲気が一変する通りもあるし、標識が見えにくくて道に迷いやすいので避けたほうがよい(会食や観劇・映画鑑賞などには、タクシーを利用する)。  信号機のないロータリー(ラウンドアバウト)は慣れるまで緊張するが、原則を覚えておこう。左側通行の国(英国、オーストラリア、マレーシアなど)は右回り(時計方向)で、
1.右側から来る車が優先、
2.ロータリーから出る車が優先、
3.入るときは右ウィンカー、出るときは左ウィンカー、を守ること。左折ならば外側車線を走り、それ以外は一気に内側車線に入るのがコツである。
他方、右側通行の国(アメリカ、ヨーロッパ大陸など)では左回りで、「2」以外は逆になる(左の車優先。入るときは左ウィンカー、出るときは右ウィンカー)。ハンドルを握る前に、イメージ・トレーニングをしておこう。
 公共交通機関の発達していない地域では車は必需品で、免許取りたての若者から80歳の老人までが運転をしている。酒気帯びや居眠り、携帯電話の片手運転などもあるので、常に周囲に注意を払い、もし変な運転をする車があれば近寄らないことである。
 車を離れるときは必ずロックする。貴重品は座席に置かないようにする。どの国にも車上狙いが多いので、カバンなど持ち歩くのが嫌なものはトランクに入れておいたほうがまだ無難である。

運転免許証の取り方

 その国の居住者(通常3か月以上の滞在者をいう)には、国際免許証での運転を認めない国も多い。一般に、日本から持参した運転免許証と、できれば国際免許証も持って地元警察署の交通課に行き、免許証の発行を申請する(代理申請でよい国もある)。  国あるいは州によって筆記試験を課されることもあるが、英語圏以外でも外国人には英語の問題を用意してくれる。「この標識はどういう意味か」「この場合、どうすることが安全か」といった常識的なもの(用語もやさしい)で、問題数もそれほど多くはない。視力検査をするところもあるので、メガネ使用者はメガネを忘れないようにする。また通常、写真も用意する(あらかじめ確認をしておこう)。  運転免許証がない場合は、新たに取得する必要がある。運転講習の学校に通うか、個人指導の先生を頼んで練習を重ね、「合格点」をもらったら警察に免許証を申請する。警察署では、筆記試験や視力検査などのあと簡単な実技試験が行われる。  運転講習を受けていれば、学校や指導員が申請を代行してくれたり、実技試験免除の手続きをとってくれたりするところもある。路上試験がある場合は、試験官の指示に従いながらゆっくり運転すればよい。