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海外学校事情(北米)

海外子女教育の概況

北米に滞在する小中学生の大半が現地校に通っている。また現地校に通う子供の多くが補習授業校にも通っている。日本人学校や国際学校で勉強している子供はごく僅かということになる。

現地校

アメリカは教育制度が十分整っており、中でも英語を母国語としない子供に対する支援があり、日本人の子供もこれに該当する。州や学校区による違いはあるものの、ほとんどの学校で ESL(English as a Second Language)クラスで英語力を向上をさせるための授業を受ける(ただし、ESL クラスが縮小されている場合もある)。
パブリックスクール(公立学校)の財源が学校区の住民から徴収する固定資産税と国や州の交付金で成り立っていることから、学校選択時には学校区の住環境と学校の施設・設備等の充実度が密接につながっていることを念頭に置いておく必要がある。
また最近、公費で維持されながらも州や学校区の規制を受けないで自由に運営できるチャータースクールも増えている。
公立学校では多くの場合、ESL クラス等の支援体制が整っているとはいえ、充実した学校生活を送るためには本人の努力と家族の協力が欠かせない。

日本人学校・補習授業校

北米には日本人学校が4校しかない(シカゴ、グアム、ニューヨーク、ニュージャージ−)。私立在外教育施設もあるが、該当する地域を除けば常時日本語で学習できる環境を選択することはできない。そのため、ほとんどの場合、現地校に入ることになる。
日本国内なら学校や日常の生活の中で自然と日本語の語彙が増えて年齢相応の言葉遣いができるようになるが、現地校のみの生活の場合は意識して日本語の環境を作らなければならない。
世界中に 200 以上ある補習授業校のうち半数近い約 90 校が北米にある。地理的に難しい場合はやむを得ないが、通学することをお勧めする。通学途中の車の中で日本語の本の「朗読や歌」を聞いたり家族で会話したりするとよいだろう。

国際学校(インターナショナルスクール)

北米にも国際学校はあるが、ほとんどの場合、多額の費用がかかる。特別な目標や考えを持ち、「通わせたい」と思っている場合は別として、制度がしっかり整っている公立学校があるので、通常は敢えて国際学校を選択する必要はないだろう。
(海外子女教育振興財団)

米国・赴任者たちの声こんなところが良い、注意が必要

現地校

○アメリカの公立の学校は一般的に、裕福な家庭が多く住む郊外の地域は学校の教育環境やレベルが高い傾向にあるようです。ニューヨーク市内では中流以上の一部の家庭が私立の中学か高校に子供を通わせています。
○公立の学校の場合、地域によるレベルの差が見られるので要注意です。
○都市部の私立校は先生や生徒の質が高く、人気のある学校に入れない可能性があるので要注意です。入るためには高い学力も求められます。
○現地校の生活に慣れてしまい、子供が日本語をやりたがらなくなりました。
○子供が学校に順応しきれず、ストレスになっています。
○子供が学校に順応しきれず、ストレスになっています。
○日本語も英語も中途半端に終わってしまいました。
○米国で子供が生まれるまでは、子供は自然にバイリンガルに育つものだと思っていましたが、実際はそれほど簡単ではありませんでした。言語(日本語・英語)の偏りをなくすには努力が必要です。
○親の奉仕活動(ボランティア)によって支えられている部分が多いです。学校行事の準備や主催はもちろん、スポーツチームのコーチを親が引き受けたりしています。一般的に親の奉仕活動への参加が高い学校は、優良校だと言われています。親にとっては負担ですが、学校等での子供の様子を見られる機会が増えるという点は利点だと思います。

日本人学校

○日本人学校に通うと、日本国内とほぼ同じカリキュラムなので帰国後の不安が少なく、進学時期にズレがありません。日本の中学や高校に通わせる予定の場合は日本人学校を選択されるのも良いかと思います。最近は現地に残り、現地の高校から米国の有名大学の進学を目指す子供もよく見かけます。
○日本人の先生と子供ばかりなので、日本語で学び、遊ぶことができます。渡米直後の子供にとっては、ホッとできる環境だと思います。

補習授業校

○学校によってさまざま。大半が駐在員の家族で占められていて、日本の学校に焦点を合わせているところもあれば、永住者(永住組とも呼ばれている)の割合が多く、日本語の維持が中心に行われているところもあります。どちらにしても全ての教科を網羅できるわけではないので、家庭での学習も必須となります。