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海外学校事情(欧州)

海外子女教育の概況

欧州に滞在する小中学生は、日本人学校のほか、国際学校や現地校に通うケースも少なくない。
また国際学校や現地校に通う子供の多くは補習授業校にも通っている。
多くの日本人学校は、主要国の首都や大都市にある。近年では、国際学校で勉強をしている子供が多く見られる。これは保護者が帰国後の編入学を考え英語での学習を選択した結果だと思われるが、小都市では国際学校が未整備な所もあり、その場合は現地校で学ぶことになる。現地校での学習はかけがえのない財産になると思うが、言語だけを見ると、帰国後の外国語の学習環境は英語が中心になるので、その保持にはかなりの努力が必要になるだろう。なお、現地校、国際学校のどちらに通っても、日本語の継続的な学習が大切なことは言うまでもない。

現地校

現地校ではそれぞれの国の言語による教育を受ける。言語が未習の場合、家庭教師の支援等を受けるなど、言語習得に努める。ドイツでは小学校 5 年相当から進路が分かれ、英国ではイングランドの GCSE や GCE といった統一試験で進路が大きく決まっていく等、それぞれの国特有の制度の影響がある。学校文化も日本と違うと考え、その後の進路や将来の展望を見据えたうえで、家族全体で協力する姿勢が大切だろう。IB(インターナショナル・バカロレア)が導入されている学校もある。

日本人学校・補習授業校

ロンドンのように日本人学校があり塾等も進出しているような大都市もあるが、都市によって教育環境はさまざまである。
日本人学校がある都市は、日本人学校が日本人の集う日系社会の中核的な拠点になっている場合が多い。日本人学校の学力レベルは総じて高く、補習授業校の子供もよく勉強する。補習授業校では駐在員家庭が求める水準だけでなく、永住者家庭が求める水準にも合わせた授業が進められている。

国際学校(インターナショナルスクール)

多くの都市に信頼の置ける国際学校がある。日本人の教員が勤務している学校もあり、その場合は日本語で相談ができる。国際学校の多くはその地域の学校として位置づけられている。基本的に家庭の協力を強く求められているので、学校運営に積極的に関わっていく必要があるだろう。
IB の教育課程を持っている国際学校も多くある。全課程が整っている場合、3 歳児から高校卒業まで IB という一貫した教育課程での学習ができるので、海外勤務を繰り返すことが見込まれる家庭には特にお勧めできる。かなりの努力が必要だが、IB の DP(ディプロマプログラム)の高得点は世界中の有名大学への切符とも言えるだろう。
(海外子女教育振興財団)

欧州・赴任者たちの声こんなところが良い、注意が必要

●ドイツ

現地校

○日本人学校やインターナショナルスクールに通えない地域だったり、事情がある場合は、現地校を選ばざるをえないことがあります。現地の小学校は日本の4年生で終了し、その後、大学進学用の中学校 (Gymnasium)、職業訓練校(Realschule)、専門学校用の中学校 (Hauptschule) 等の進路分岐があります。希望する進路が学校と違えば学校と協議しなければならず、実際には4 年生の 1 学期の成績で先生は進む学校を提案してきます。編入学は事前に周りに評判を聞くなどして情報を集めてから決めたほうが良いでしょう。

日本人学校

○ドイツでは滞在期間が短い場合、日本人学校へ行く子供がほとんどです。学校の中でドイツ社会・文化に触れられるのは限られています。ドイツ語会話の授業や、数回の交流学習、現地スタッフとのふれあいぐらいです。せっかくドイツに住むのですから、できる限りドイツの社会の中で過ごす時間を持とうと考えて習い事や地域のスポーツ団体に所属させました。

国際学校

○インターには主にアメリカ系とイギリス系の 2 種類あります。イギリス系は 5 歳から、アメリカ系は日本と同じ 6 歳から 1 年生が始まります。イギリスは早期教育の国なので、勉強にはかなり熱心なようです。英語に対してまったく準備せず、理解できない場合、年齢にもよりますが、最終的な入学許可は校長先生が判断します。日本人は、日本人学校があるので、そちらを勧められることも多いようです。
○保護者にはボランティア活動が求められますが、強制されてするものではありません。図工の時間に子供たちの工作を手伝ってあげたり、手紙をファイルしたり、遠足や運動会のヘルプをしたり、本を読んであげたりなどいろいろあります。特に当番などはなく、先生やクラスマザーから「手伝って」と言われたら、手伝う感じです。
○インターによってまちまちですが、うちの学校は 12 学年(高 3)まであります。日本人学校の場合は中学 3 年までしかないので、高校段階から入って来る子もいます。多くの生徒の場合、IBを取得して卒業したら、日本を含めアメリカや欧州等の大学に進学しています。