日本人学校(北米)
子女教育の概況
北米に滞在する小中学生の総数は約2万6,800人です。その内の98%が現地校に通っています。また現地校に通う子供の53%が補習授業校にも通っています。日本人学校や国際学校・私立在外教育施設で勉強している子供はごく僅かということになります。
現地校の特徴
アメリカは教育制度が十分整っており、中でも第二言語としての英語学習者に対する支援の充実も進めています。日本から行く子供達もこれに該当します。州や学校区による違いはあるものの、ほとんどの学校でESL クラスでの英語力向上支援を受けることができます(ただし、経済状況の悪化に伴いESL クラスが閉鎖されているところもあります)。パブリックスクール(公立学校)の財源が学校区の住民から徴収する固定資産税と国や州の交付金で成り立っていることから、学校選択時には学校区の住環境と学校の施設設備等の充実度が密接につながっていることを視野に入れておく必要があります。
また最近、公費で維持されながらも州や学校区の規制を受けないで自由な学校運営ができるチャータースクールも増えています。この学校も選択肢の一つになります。公立学校の場合でもESL のクラスがあり支援体制が整っているとはいえ、充実した学校生活を送るためには本人の努力と家族の協力が欠かせません。
日本人学校・補習授業校の特徴
北米には日本人学校が4校しかありません。私立在外教育施設も数校ありますが、該当する地域を除けば常時日本語で学習できる環境を選択することはできません。そのため、ほとんどの場合、現地校のお世話になることになります。
日本国内なら学校や日常の生活の中で自然と日本語の語彙が増え年齢相応の言葉遣いができるようになりますが、現地校のみの生活の場合はそうはいきません。意識して日本語環境を作らなければなりません。
世界中に200 以上ある補習授業校のうち半数近い約90 校が北米にありますので、地理的に難しい場合はやむを得ませんが、多少無理してでも通学するのが良いと思います。その場合も通学途中の車の中で海外子女教育振興財団が行っている通信教育の「朗読CD」を聞いたり家族での会話の時間に当てたりと有効活用されることをお勧めします。
補習授業校では永住者家庭と駐在員家庭の求める学習内容の水準に相違があり調整を図りつつ授業が進められています。
インターナショナルスクールの特徴
北米にも国際学校はありますが、特別な目標や考えを持ち、是非通わせたいと思っている場合は別として、制度がしっかり整っている公立学校があるので通常は敢えて多額の費用のかかる国際学校を選択する必要はないと考えます。(海外子女教育振興財団)