海外赴任リロケーションガイド赴任の準備方法や手順など、生活の基盤となる情報をご紹介

日本人学校(アジア)

子女教育の概況

アジア(中国含む)に滞在する小中学生の総数は約3 万2,400 人です。その中でも東南アジアでは在住者が増加傾向にあり、多くの子供が暮らしています。通学する学校は、日本人学校か国際学校になります。あわせて補習授業校へ通っている子供もいます。

現地校の特徴

東南アジアの国々には日本のように教育制度がよく整っている国もありますが、義務教育の制度のない国もあります。入学しても小学校の段階から落第の制度があって3 割ほどの子供が脱落してしまう国もあります。
施設整備が追いつかず、同じ校舎で午前と午後のクラスが学習する2部制をとっている国もあります。当然授業は現地の言葉で行われています。
このような状況を考えると、帰国後に現地校で学習していたことのメリットをあまり見出せないことや、日本の学校への編入学や進学時に制度や学習内容の違いからスムーズに移行することが困難であるとの判断から、日本人の子供が現地校へ通学することはほとんどありません。
英語での授業をしている私立の学校はありますが、これらも何らかの制約があって通学することは難しいです。

日本人学校の特徴

世界中で日本人学校は89 校ありますが、その内の36 校(40%)がアジアにあります。中国には10 校ありますが、東南アジアの国々も日本人学校は充実しているといえます。世界で最も児童生徒が多い学校の一つであるバンコク日本人学校には約2,700 人、シンガポール日本人学校にも約2,200 人が通っています。これとは対照的に在籍数が10 名ほどに減ってしまっている日本人学校もあります。人数の違いはありますが、それぞれの良さを生かしながら規模の大きさに合った方法で、日本の勉強に加えて現地のことを知る取り組みも活発に行っています。
在籍していた多くの子供が帰国後も同窓生として長く友好を深めているとの話を聞くことから、日本人学校での生活が充実しており有意義な時間を過ごせていることがうかがえます。

インターナショナルスクールの特徴

東南アジアの国々には比較的多くの国際学校がありますが、人口の多い都市部に集中しているといえます。希望者が多く、すぐに入学できずに待機しなければならない学校もあります。入学の為の試験もありますから待機しても必ず編入学できるわけではありません。
国際学校への入学を選択した場合に気を付けなければならないのは、この地域は補習授業校が少ないので日本語や日本の文化に触れる機会が少なくなってしまうということです。いずれ日本に帰国することを考えるとそれぞれの家庭で意識的にそのことへの取り組みや配慮をする必要があります。(海外子女教育振興財団)