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日本人学校(欧州)

子女教育の概況

欧州に滞在する小中学生の総数は約1万6,700 人です。その内の16%が日本人学校に、26%が補習授業校と現地校や国際学校に通い、現地校や国際学校のみが58%となっています。
日本人学校は、主要国の首都や大都市にあります。日本人学校のない国では、現地校ではなく国際学校で勉強をしている子供が多く見られます。これは保護者が帰国後の編入学を考え英語での学習を選択した結果だと思いますが、小都市では外国人子女の教育機関が未整備な所も多く、その場合は現地校で学ぶことになります。現地語での学習は将来かけがえのない財産になると思いますが、帰国後の外国語の学習環境は英語が中心になるので、その保持にはかなりの努力が必要になるでしょう。現地校、国際学校のどちらに通っても、日本語の継続的な学習が大切なことは言うまでもありません。

現地校の特徴

現地校ではそれぞれの国の言語による教育を受けます。言語が未習の場合、家庭教師の支援等を受けながら言語習得に努めます。ドイツでは小学校5年生相当から進路が分かれ、英国では義務教育(5 歳〜16 歳)修了の年に行う統一試験で進路がかなり決まっていく等それぞれの国特有の制度の影響があります。日本での受験時の緊張と同様の気配りが必要な場合があります。学校文化も日本と違うと考え、家族全体で協力する姿勢は大切です。IB(インターナショナル・バカロレア)が導入されている現地校もあります。

日本人学校・補習授業校の特徴

ロンドンのように日本人学校があり塾等も進出しているような大都市もありますが、多くの都市では学校規模はさまざまです。日本人会等も整備され学校が日本人の集う日系社会の中核的な拠点になっている場合が多いでの学力レベルは総じて高く、補習授業校の子供達もよく勉強します。補習授業校では駐在員家庭の求める水準だけでなく、永住者家庭の求める水準にも合わせた授業が進められています。

インターナショナルスクールの特徴

多くの都市に信頼の置ける国際学校があります。日本人教員が勤務していて日本語で細かな相談ができる学校もあります。国際学校の多くはその地域の学校として位置づいており町に馴染んでいる感じがあります。国際学校は基本的に家庭からの協力を強く期待していますので積極的に関わっていく必要があります。
IB の教育課程を持っている国際学校も多くあります。全課程が整っている場合、3歳児から高校卒業まで一貫した教育課程での学習ができるので、海外勤務を繰り返すことが見込まれる家庭には特にお勧めできます。かなりの努力が必要ですが、IB のDP(ディプロマプログラム)の高得点は世界中の有名大学への切符とも言えます。(海外子女教育振興財団)