海外赴任リロケーションガイド赴任の準備方法や手順など、生活の基盤となる情報をご紹介

ペットの送り方・持ち込み方

海外への赴任や海外からの帰任にあたり、家族の一員である愛犬・愛猫を伴うケースは年々増加している。
2004 年 11 月 6 日から犬などの検疫制度が抜本的に見直されたことに伴い、出発前から数年後の帰国に向けての手続きを考える必要がある。まずは赴任先(入国先)の受け入れ条件の確認と、帰国時の日本への輸入条件の確認を行い、愛犬・愛猫に負担のかからない海外赴任の準備を行いたい。
また送り方、日本への持ち込み方として、「通常の貨物として輸送する」「手荷物として預ける」「機内に持ち込む」の三つの方法がある。機内持込みは航空会社により異なる。

新しい検疫制度(帰国時)

犬・猫・あらいぐま・きつね・スカンクについては、次の証明が必要になる。

  • 到着 40 日前の輸入の届出

  • マイクロチップによる個体識別が必要(日本到着時に、犬等に装着されているマイクロチップの識別番号と輸出国政府機関の発行する証明書に記載されている識別番号と照合を行う)また、犬・猫については、下記の証明が求められる

  • 狂犬病不活化ワクチンの 2 回以上の接種

  • 血液検査(狂犬病に対する抗体価の確認)

  • 抗体確認後の輸出国での待機(180 日間)

ペットを海外へ(出国)

赴任国(入国先)の輸入条件を確認

入国先により輸入許可の取得、狂犬病予防注射、日本での飼養期間の証明などが必要な場合がある。入国予定国の輸入条件を、事前に在日大使館または赴任国の検疫当局に確認する必要がある。申請許可か必要な国に関しては輸入許可申請書を取り寄せ、申請手続きを開始する。

農林水産省動物検疫所での輸出検疫が必要

出発前に、動物検疫所で輸出検疫を受ける必要がある。検査は出発当日に受けることができるが、7 日前までに動物検疫所に連絡をしておくことを勧める。成田空港で検査を受ける場合は、搭乗手続き(チェックイン)の約 1 時間前までに行く必要がある。
入国先により、事前に輸入許可の取得手続きや動物病院での各種検査が必要な地域もあるため、動物検疫所へ行く前に何が必要であるかの確認が必要である。動物検疫所が発行する輸出検疫証明書に狂犬病予防注射の接種日を記載する必要がある場合、輸出検疫時に接種した獣医師の発行する「狂犬病予防注射接種証」を持参する。
また、出発前に狂犬病の中和抗体検査を実施した場合は、採血を行った獣医師が発行する採血日がわかる証明書および検査施設が発行する検査結果証明書を持参する。これらの証明内容を踏まえて輸出検疫証明書(英文)が発行される。

ペットを日本へ(帰国)

海外赴任を終え、帰任する際にはまた輸入検疫を受ける必要がある。その際に冒頭で説明した検疫制度の条件が必要となる。マイクロチップによる個体識別をした上で狂犬病予防注射と狂犬病に対する抗体価の確認を行い、家畜防疫官の証明書を取得したうえで出国しないと、帰国時の係留期間が長く(180 日間)なる。帰国予定日の 40 日前までに到着予定空港(港)の動物検疫所への届出が必要である。輸出国政府機関が発行する検査証明書により指定地域から直接輸入され、輸出国政府機関発行の証明書により次のことが確認できる場合、到着時の係留期間は 12 時間以内となり通常は短時間で検査終了となる。

指定地域(狂犬病の発生のない国・地域)からの帰国の場合

  • マイクロチップによる個体識別がなされていること

  • 指定地域において過去 180 日間、もしくは出生以降飼養されていたこと、または日本から輸出されたあと、指定地域のみにおいて飼養されていたこと

  • 当該指定地域に過去 2 年間狂犬病の発生がなかったこと

  • 出発前の検査で、狂犬病(犬の場合にはレプトスピラ症についても必要)にかかっていないか、またはかかっている疑いがないこと

    指定地域は次の 6 地域

    アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアム

指定地域(狂犬病の発生のない国・ 地域)以外からの帰国の場合

  • マイクロチップによる個体識別

  • マイクロチップ装着後の 2 回以上の狂犬病不活化ワクチン接種

  • 2 回目の狂犬病ワクチン接種後に狂犬病の抗体価の確認

  • 狂犬病に対する抗体確認のための採血後、180 日間以上経過(輸出待機)していること

  • 狂犬病およびレプトスピラ病(犬のみ)にかかっている疑いがないこと

動物検疫所で情報確認を

日々情報や制度が変わるため、動物検疫所ホームページ、または最寄りの動物検疫所で必ず最新の情報を確認することを心がけたい。
(http://www.maff.go.jp)