上海

住宅マーケット概況

コロナパンデミックが引き起こした変化は、上海の賃貸市場にも明らかな影響を及ぼしています。厳しいロックダウンの後、一時的な回復の兆しは見られましたが、外資系企業の赴任者減少が続く中で、市場はコロナ前の活況を取り戻すには至っていないようです。
日系企業に関しては、家族帯同赴任者の増加が見られるものの、全体的には赴任者数が減っている状況です。この減少は市場の供給と需要のバランスを変動させ、賃料の交渉余地を拡大しています。
不動産管理会社や家主は、この新しい現実を受け入れ、より柔軟な賃貸条件を提供するか、さらに魅力的な物件特性を提案することで市場の変化に対応する必要があります。同時に、物件の価値を保ちつつテナントを惹きつける新しい施設やサービスを追加することも、競争力を保つための一つの戦略となり得ます。
テナント側では、市場の変動を利用して、交渉を有利に進めることができる環境が形成されています。良好な条件での新規契約や、更新時の値上げのない維持契約が可能になっているため、テナントはこれを機に、コストパフォーマンスの高い物件を求める傾向が強まっています。

代表的なエリア

虹橋・古北地区

虹橋地区は上海市で最初に経済技術開発区として発展した地域で、多くの外国 系企業が活動の拠点（古北一期、古北二期、古北三期）としています。日本人学校・日本領事館などもこのエリアにあり、中でも「古北新区」が根強い人気を保っています。環境や治安にも優れ、日本料理店・食材店およびスーパーも集中し、多くの家族が居住しているエリアです。
ここ数年虹橋地区（娄山关路、威宁路）が人気急上昇！特に「娄山关路」駅周辺と「威宁路」駅周辺。理由としては、古北地区物件の老化と家賃の上昇。虹橋地区ではスーパー、ショッピングモール、料理店なども集中しており、単身赴任者と帯同家族両方に人気。「威宁路」駅周辺の物件は駅から近いため、地下鉄通勤の方にとって非常に便利。

旧市街地区

人民公園を中心に南京路・淮海路などのメインストリートには商店が立ち並び、フランス風建築、近代的高層ビル、 古くからの街並みが共存するエリアです。外国人用マンションも増加し、このエリアを選択する単身や夫婦の方も増えてきました。日本人学校へのシャトルバスがある物件が少なく、学齢期の子供がいない駐在員の居住が多いです。また「徐家匯」や「中山公園」と呼ばれる地区は市中心や虹橋地区に隣接しており交通の便も地下鉄駅があり便利です。

浦東地区

浦東地区の中でも「陸家嘴」と呼ばれる開発区は世界的な銀行が集まる金融・貿易の中心として目覚しい発展を遂げた地区です。日本人学校浦東地区があるため、学齢期のお子様を持たれるご家庭には好まれております。

家具情報

上海での一般的な物件は家具・家電付きでの賃貸となりますので、自分で家具・家電を用意する必要はありません。またどの物件にも標準家具・家電リスト（最初から設置されているリスト）があり、それをもとに追加を交渉します。

住宅慣習

保証金（敷金／礼金）

一般的には賃貸料の2 か月分です。

契約年数（賃貸借期間）

通常 1 年契約（SA）となります。

契約方法

まずは、自分の契約条件を確認します。会社契約でも日本法人、中国法人、個人での契約なのか、支払い方法が現金または振り込みなのかなどです。支払い通貨も重要です。入居日前までに保証金と 1 か月目の賃貸料金を支払う先払いの方式となります。

解約方法

1～2ヶ月前に書面通知にて退去を行うことができますが、途中解約の条項がないと違約金が発生します。

その他注意事項

近年、駐在員の数、物件数ともに非常に増えましたので、個人では見つけにくくなっています。年始めの 1～ 2 月には空室が多くなりますが、3 月頃からなくなりますので早めに不動産会社にコンタクトをとりましょう。

その他の情報

日本人学校

虹橋地区（小学校のみ）、浦東新区（小・中・高等学校）と二つの地区に文部科学省認定の日本人学校があります。生徒数も合わせて 2,000 人規模となっており、世界で最も大きな日本人学校です。学習指導要領に基づき、日本へ帰国しても自然になじめるよう日本と 同様の教育が受けられます。

日本食

沢山の日系スーパー、デパートがあり、日本の生活と変わらない食品が手に入ります。

日本語が通じる医療機関

上海には、東和クリニック、グリークリニック等日本人医師や日本語を話せる中国人医師が診療を行っている日系クリニックが 10 箇所以上存在します。

※要注意：2018 年度後半では、某上海大手サブリース会社（包租公司）キャッシュフローに問題があり、テナントへの敷金返済が大幅遅延、6ヵ月以上遅延のケースもあります。敷金に関する、未回収トラブルがありましたら、是非リロ上海にご相談下さい。