ビ ザ
海外駐在のための手続きといえば就労ビザと言っても過言ではありません。日本ではない異国で働くには就労ビザの取得が必要です。このビザが取れなければ、渡航できない、家財も送れないと、赴任手続きで最も肝になる手続きです。現在はコロナ禍で通常とは異なる手続きが発生するために時間もかかります。早め早めの準備が必要となります。
ビザは、日本の人事部と駐在先の現地法人とで連携して取得します。駐在先の担当者と以下の確認をして意識合わせをしましょう。
①申請するビザタイプ(複数の種類の就労ビザがある国もあります)
②駐在先での労働許可を取得するにあたり必要な書類
③労働許可取得までのリードタイム
④コロナ禍のために発生している追加手続きの有無
⑤その他、必要事項
現地での労働許可申請のための必要要件が確認できたら駐在員本人や会社が用意する書類を準備します。この時に取得するビザのタイプの大まかな取得手続きの流れをイメージできると手続きが進めやすくなります。
書類の準備ができたら翻訳や認証など追加手続きの有無を確認して、駐在先の現地当局に対して労働許可の申請を依頼します。駐在国により労働許可取得までのリードタイムは異なりますが、おおむね1-2 か月程度はかかります。
現地で労働許可が発給されたら、許可書類を日本に送ってもらい、ビザ申請書等を作成して日本側の在外公館に就労ビザを申請し発給されます。就労ビザの発給は単体の書類ではなく、提出したパスポートにスタンプやシールが貼られます。
国によって、申請ルールやリードタイムが異なるだけでなくコロナ禍による突然のルール変更などにより必要書類が増えて、再申請となることもめずらしい事ではありません。いろいろな事が起こることを想定してのスケジューリングすることが重要です。
またコロナ禍ではビザ取得だけでは渡航できない場合もあります。国ごとに入国要件が異なり、ビザとは別に入国許可の申請が必要であったり、PCR 検査の陰性証明書やワクチン接種証明が必要なケースもあります。
事前に駐在国の日本の在外公館のHPを確認しましょう。特にビザとは別の入国許可申請が必要な場合は渡航までのスケジュールに大きな影響を与える場合があります。
国ごとのビザ取得方法は、頻繁にルールが、変更されるため、詳細は国ごとにページの右下のQR コードにて確認下さい。
【ビザ取得にあたっての注意事項】
ビザは必要書類さえ整えば誰にでも発給されるものではありません。どの国でも自国の労働者の雇用を最優先したいのは当然です。
海外から労働者を受け入れるのは自国の労働者ではその業務を賄えないために特別に許可していると認識ください。多くの国ではビザを発行するにあたり駐在員に対して条件を課しています。
(各国でみられる主な条件)
①派遣元の日本企業での在籍年数
②派遣先で従事する業務の経験年数
③年収
④学歴(四大卒以上など)
⑤派遣先でのポジション
以上のことから「経験を積ませるために若手社員を派遣したい」「ベテランの高卒技術者を派遣したい」などと計画してもビザ取得条件に合わなければ、取得できなかったり申請に非常に時間がかかったりします。
ビザ申請のための必要書類はもちろんのこと海外駐在員の条件が合致しているかも確認しましょう。もし判断がつかない場合は専門エージェントや駐在国の弁護士などに相談するのも一案ですし、手続き自体を専門エージェントにアウトソースしているケースも多く見受けられます。